米IBMは12月18日(米時間)、「今後5年間で人々の生活を変える5つのイノベーション」を発表した。これは年末恒例となった発表「IBM 5 in 5」で、今年で8回目となる。
IBM 5 in 5は単なる発明(されるであろう)技術の羅列だけでなく、コンピュータ技術や使い方などの一種のテーマ性を持っているが、今年は「学習」がポイントとなっている。5つの発明は以下のとおり。
【クラスルームが生徒について学ぶ】 これは画一的な学校教育だけはなく、生徒ひとりひとりの個性、スキル、個人目標や適正に関して知ることで、新たな教育システムの構築すると予測している。
【地元での買い物がオンラインに勝る】 オンラインショッピング全盛の現代からすれば逆行しているようにも思える提示だが、クラウドやモバイルの連携技術が進めば、実店舗でも顧客パーソナライズが可能となり、地元での買い物が楽しいものになるとしている。
【健康維持にDNAを活用する】 ヒトゲノムのビッグデータ解析によりパーソナイズ治療の進歩はさらに加速すると予測し、診断・治療までの速度は大幅に短縮、遺伝子データを用いた医療サービスが普及し始めると予測している。
【デジタルの番人がオンライン・ユーザーを保護する】 モバイルデバイスが普及しているわりには攻撃への対策はパソコン中心の頃から大きく進歩していないのが現在の状況だが、今後はユーザーに付いて学習することでネットワーク上の行動のなにが合理的な活動なのか不正アクセスなのかをより深く理解して対策を行うようになるとしている。
【都市が市民の生活を支援する】 今後数十年で新興国においても急激に都市への人口集中が進むと予測しており、都市は市民のニーズをより正確に把握・学習し、モバイルデバイスやクラウドを利用した意思決定、都市計画がいっそうに重要になるだろう。
IBMでは、コンピューティングの新時代は人間の能力を拡大し、人々が適切な選択をおこなえるよう支援し、人々に配慮し、新しい効果的な方法で人々が世の中をナビゲートする支援を行う画期的進歩を可能にするとしている。今回の5 in 5では、とくに機械やサービスがユーザーを学習するということに注目し、市場や社会の動きを予測したものと言える。