米IBMは8月7日(現地時間)、第2世代のニューロチップ「IBM SyNAPSEチップ」を開発したと発表した。
同社が進めているコグニティブ・コンピューティング研究の一環で、人の脳のニューロネットワークのように働く非ノイマン型チップ。54億個のトランジスターからなる2次元メッシュ・ネットワークは4096コアのチップとして動作し、100万通りのニューロン経路、2億5600万個のプログラム可能なシナプスを備える。
チップはサムスン電子の28nmプロセスCMOS技術で作られており、同程度のノイマン型(一般的なCPU)よりもはるかに少ない(4桁は小さいという)70mWという超低消費電力で動作する。また、スケーラブルデザインの採用により、チップを並べることでシームレスに動作し、現在のところ16チップでの動作を実証している。
このプロジェクトは米国国防省国防高等研究計画局(DARPA)が2008年より進めているSyNAPSE(神経形態学的電子工学システム)プログラムとして進められている。ニューロチップは各種研究に利用されるほか、モバイルデバイスやクラウドコンピューティングなどあらゆる方面で革新的なチップになるとしているほか、IBMでは研究を進めて最終的に100兆超のシナプスを持つニューロ・スーパーコンピューターの開発に取り組むという。
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