今回のことば
「経営者が技術を理解できないと、適切な手が打てない。経営者は最新技術の風に当たるべき」
(中国電力の山下隆会長)
日本アイ・ビー・エムは、11月下旬から12月上旬にかけて、全国4カ所で、「IBMリーダーズ・フォーラム 2013」を開催した。
日本IBMは昨年、首都圏を除き、東北、中部、関西、西日本の4つの支社を配置。同フォーラムは、それぞれの支社の各エリアで開催しているもの。3回目となる今回は、仙台、名古屋、大阪、広島で開催することになった。
経営の外部要因となる、市場の変化、テクノロジーの変化
なかでも西日本支社が広島で開催したフォーラムは、過去2回が福岡での開催であったのに対して、初めて場所を移して開催したもの。パネルディスカッションでは、ジャーナリストの蟹瀬誠一氏をモデレータに、中国電力会長である中国経済連合会の山下隆会長、マツダの金井誠太代表取締役副会長、そして、日本IBMのシステム製品事業担当・三瓶雅夫専務執行役員が登壇。中国地域が抱える課題などに触れながら、「Sustainable Growth ~成長におけるチャンスとリスク~」をテーマに、継続性のある企業経営のあり方などについて意見を交わした。
中国電力の山下隆会長は、「中国地域は、1995年から人口が減っており、少子高齢化が進む日本のなかでも先進国だといえる」と指摘。また、「中国地域には、モノづくりの強みがある。また、観光という資源もある。こうしたものをもっと活用していくことが地域の活性化につながる」などとした。
山下会長のなかで興味深った発言は、「経営者が技術を理解できないと、適切な手が打てない」ということ。「経営者は、技術革新の新たな風に当たる必要がある」とコメントし、企業の生き残りに向けては、ITを含めた最新技術を経営に取り込んでいく必要性を示した。
これを補足するように、日本IBMの三瓶専務執行役員は、IBMが、2003年から全世界の経営者を対象に調査を行っていることを紹介。そのなかで、「将来において、経営に最も影響を与える外部要因」とする設問に対して、2010年までは「市場の変化」とする声が最も多かったのに対して、今回の調査結果では「テクノロジー」とする声が最も多かったことに触れ、「成功のためのアクションには、実世界とデジタルとの統合や、データ分析をもとに、魅力のある顧客体験を提供することが重要だという結果が出ている。さらに、約9割の経営者が、今後3年以内にテクノロジーを活用したデジタル戦略を強化すると回答している」と、技術が経営にますます深く関与していく可能性を示した。
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