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B2E/B2B/B2Cの3製品を単一プラットフォームに統合、標準技術を採用

SAP、モバイルアプリ開発基盤「Mobile Platform」を強化

2013年12月04日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 SAPジャパンは12月3日、エンタープライズおよびコンシューマー向けのモバイルアプリ開発を支援する統合プラットフォームの新版「SAP Mobile Platform 3.0」の提供を開始した。HTML5、ODataなど業界標準技術への対応を進めたほか、開発者が使い慣れた開発ツールを選ぶことができる“BYOT(Bring Your Own Tool)”も実現したとしている。

SAP Mobile Platform 3.0の強化点概要

 Mobile Platform 3.0では、SAPが持つ3つのモバイルアプリ開発基盤が単一プラットフォームに統合され、B2E、B2B、B2Cすべてのアプリケーション開発に対応した。具体的には、エンタープライズ向け開発基盤「Sybase Unwired Platform」、同じくエンタープライズ向けのノンコーディング型開発基盤「Syclo Agentry」、コンシューマー向け開発基盤「Sybase Money Mobiliser Platform」の3つが統合されている。

 上述の3製品(およびSAPのミドルウェア「NetWeaver Gateway」)の統合においては、それぞれの採用技術がオープン/業界標準のものに統一された。バックエンド接続およびデータモデルにはOData、通信プロトコルにはHTTP RESTを採用している。このプラットフォーム上で、それぞれのプレゼンテーション(インタフェース)技術を利用できる。

Mobile Platform 3.0では、3つのモバイル開発基盤とミドルウェアが統合され、それぞれの採用技術(左)が統一された(右)

 さらに、Mobile Platform 3.0ではODataやHTTP REST以外にも、業界標準技術の採用を進めている。具体的には、Javaモジュールの動的追加/実行を管理するための基盤システム「OSGi Spring」、クロスプラットフォーム開発を可能にするフレームワーク「Cordova」を追加した。Cordovaについては、エンタープライズアプリで必要とされる7つの機能をCordovaプラグインとして提供する。

 また、エンド・ツー・エンドのアプリケーション開発を可能にするため、UI開発ツールの「SAP AppBuilder」も併せて提供される。AppBuilderはHTML5ベースで動作するブラウザベースの開発ツールで、事前定義されたアプリケーションテンプレートが提供されるため、ドラッグ&ドロップとクリック操作で簡単にHTML5ベースのインタフェースを作成できる。

Cordovaでは、SAP Mobile Platformが備えるアプリ更新、暗号化ストレージ、Exchange設定など7つの機能をCordovaプラグインとして提供する。サードパーティプラグインとの共存も可能

AppBuilderはブラウザベースのUIデザイン/開発ツール。コンポーネントをドラッグ&ドロップするだけでデザインが可能で、コードビューに切り替えれば直接コードの編集やデータソースの設定が可能

 同日の製品発表会でSAPジャパン ビジネスソリューション統括本部 モバイルソリューション部長の溝上勝功氏は、幅広いモバイルプラットフォームとデータソースに対応するMobile Platformは、企業のモバイルアプリ開発における課題を解決する製品と説明した。同製品をワールドワイドでは2500社以上、日本では40~50社が採用しているという。

 国内市場での展開戦略について溝上氏は、従来からSAPが強みを持つ「インダストリーごとのシナリオを使った提供」と、「SAPパートナーとの協業によるマーケットイン」という2つの戦略で展開していくと説明。また、新版ではB2EやB2BだけでなくB2Cのモバイルアプリにも対応していることから、コンシューマー系の開発ツールを使っている企業の“エンタープライズ系への橋渡し”をしていくと述べた。

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