シャア専用オーリスのディティールに迫る
シャア専用オーリスのハイライトは、実はこのクルマの後半部分にある。スラスターを模した4本出しマフラーを擁するテールエンドユニットは圧巻だ。大人の諸事情で4本中3本はダミーマフラーとなってしまってはいるが、その存在こそが自動車型モビルスーツとしての主張をうかがわせるのだ。
そしてリア周りのもう一つのハイライトがこのブレードアンテナだ。指揮官用のモビルスーツに取り付けられる「ツノ」をいかにして表現するかがシャア専用オーリスの成功の鍵だと重要視されていた。それこそ、何十ものアイデアと幾つもの試作を重ね、やっと完成したという力作である。他のパーツを一切付けなくとも、このアンテナさえあればシャア専用オーリスとわかるのではないだろうか。
自動車型モビルスーツである以上はコクピットでの操縦感の演出も重要だ。ここでもシャア専用と言うキーワードからイメージできる赤が重要なアクセントとなっている。ダッシュボードのインテリアパネルは先述のLEDサインでシャア・アズナブルの紋章とモノアイの表現が切り替わるギミックが施される。
そして、クルマを操縦する上で非常に重要なステアリングは、パンチングレザーを施した非常にスポーティーなもの。触った感じもかなり上質で、グリップ部の造形にも握りやすさや保持のしやすさなどのこだわりを感じるものとなっている。
ステアリングのトップセンターには黄色のマーカーが本革で入り、また下端部にはシャア専用オーリスの型式が刻印されているという演出も憎い。
操作部といえば、エンジンスターターボタンも専用品となり、これは押すたびに気持ちの昂ぶりを隠し切れないかもしれない。そしてCVTモデルには専用シフトノブが装着可能である。マニュアルシフトには専用シフトノブが設定されないのでCVT車を選ぶ意味は存在する。
試乗車は純正16インチホイールを装着していたが、ホイールのセンターキャップはジオニックトヨタの専用品となっている。シャア専用オーリスではそれ専用の18インチホイールもオプションで用意され、これを装着するとよりいっそう引き締まった印象となる。
シャア専用オーリスには数量限定のパーツもいくつか存在している。特にカーナビはシャア・アズナブルの声がインストールされているということもあって、限定数量900台が予約開始から程なく完売となってしまうほど。フロマットも900組限定であり、こちらも早めに注文しなければならないほどの人気ぶりである。
ここまでご覧いただいたとおり、シャア専用オーリスはメーカーがお仕着せで作ったキャラクター商品でないことがおわかかりいただけたであろう。このクルマはメーカーが企画したことは確かであるが、作品ファンとともに作り上げたからこその完成度を持っているのだ。そして、それは好調な販売が物語っているともいえるのである。
これを読んでシャア専用オーリスに興味を抱いたならば、アムラックス東京のタイムレンタルで試乗されることをオススメする。