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Oracle Open World 2013レポート

富士通、OOWで次世代プロセッサ/UNIXサーバー戦略を語る

2013年09月25日 13時00分更新

文● 大河原克行

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シェア奪還の重要な切り札、Fujitsu M10サーバー

 現在、北米のUNIX市場においてはIBMが躍進しており、一時はIBMのシェアが50%にまで拡大したという。その点でも、新しいFujitsu M10は、IBM攻略の重要な切り札になる。

OOW会場に展示されたFujitsu M10サーバー

 豊木氏は、「今年3月から、北米市場においてFujitsu M10の販売を開始した。昨年の時点ではSPARC(サーバー)のシェアは10%程度にまで落ちてきており、オラクルとの協業によって、なんとしてでもシェアを奪還したいと考えている」と意気込む。

 北米には「富士通・オラクル センター・オブ・セールス」と呼ぶ営業支援拠点を設けて、「富士通およびオラクルの営業部隊を直接支援する体制を整えている」(豊木氏)という。こうした支援体制も、富士通とオラクルのシェアを高める要素になりそうだ。

 だが、もちろん、両社がそれぞれにサーバー製品を投入しているだけに、その棲み分けも明確にする必要があるだろう。豊木氏は、両社のサーバーの特性について次のように説明する。

 「オラクルはスループットにフォーカスした設計となっており、中規模のデータや軽い処理を大量に行う場合に適している。それに対して、富士通は、大規模なデータ処理などに適した設計となっている。重たい処理を短時間に行うことができるのが特徴だ。両社の製品は、CPUのソケット数など、スペック上ではは同じに見えるが、それぞれの特性を生かして適材適所に向けた販売を行うことができる」(豊木氏)

 富士通 執行役員の野田敬人氏は、「Fujitsu M10は、IBMのPowerサーバーやメインフレーム、HPのSuperDomeなどの置き換え導入事例が出ている。ミッションクリティカルを長年やってきた富士通の強みや、ダイナミックリコンフィグレーションなどの独自の機能も評価されている」とした。

富士通 執行役員 野田敬人氏

 Fujitsu M10は、国内大手自動車会社や携帯電話キャリアなどへの導入が進んでいる。豊木氏は「(M10は)特定の領域を狙った製品ではない。パートナーを通じた販売にも弾みをつけたい」と述べた。

 富士通では、データベースに同社の「Symfoware」を採用した垂直統合製品「Dynamic Integrated Systems」を投入しているが、これは国内ユーザーを中心に、Symfowareを活用したトランザクション性能の向上を目的にしているものだ。これに対して、Fujitsu M10は汎用UNIXサーバーと位置づけ「Oracle Database」などにも対応する。その点での売り分けも行えるという。

 富士通は、Athenaの進化や、オラクルが発表したOracle Database In-Memoryオプションなどによって、Fujitsu M10の普及にも弾みをつける考えだ。

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