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AMD、組み込み用途にARMとx86の新プロセッサ発表

2013年09月11日 01時00分更新

文● 塩田紳二

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 AMDは米サンフランシスコで記者発表会を開催。同社の組み込み向け製品のロードマップを更新した。今回の更新では、新しく、64bit ARMアーキテクチャの製品がラインアップに加わった。また、既発表のKaveriの組み込み向け製品となるBald Eagleが現行の組み込み向けAPUであるRシリーズの後継となった。

新たにロードマップに登場した製品は4つある

 ロードマップに新たに登場した製品は、全部で4つある。うち1つは組み込み向けのディスクリートGPUである。x86系APUとしては、Bald Eagle、Steppe Eagleの2つ。ARM系組み込みプロセッサはHierofalconと呼ばれる。

組み込み系製品のロードマップ。従来のR、Gシリーズの後継および新シリーズとしてBald Eagle、Steppe Eagleが入った。さらにARM系の組み込みプロセッサとして64bitアーキテクチャのHieofalconが入った

 AMDは、ARM系プロセッサとしてすでにサーバー向けのSeattleを公開しているが、Hierofalconは、その組み込み版のSoCとみられる。AMDとしては、サーバー分野だけでなく、組み込み系でもARMプロセッサのビジネスを展開する考えだ。というのも組み込み系のCPUではx86とARMが大半を占めるからだ。

Hierofalconは、64bit ARMプロセッサを搭載したSoC

 CPUコア自体は、ARM社の設計したCortex-A57を採用し、4または8コアを搭載する製品となる。SoCとしては、10GbitイーサーネットやPCI Expressコントローラーを統合している。グローバルファウンダリーの28nmプロセスで製造され、出荷は2014年の後半を予定している。

 x86系の組み込みプロセッサは、現在高性能のRシリーズと低消費電力のGシリーズがあるが、Bald EagleがRシリーズのSteppe EagleがGシリーズの後継として2014年の前半に登場予定だ。こちらも製造プロセスは28nmである。

 Bald Eagleは、デスクトップ向けのKaveriをベースとした組み込み向けAPUで、AMDなどが推進するHSAに準拠したAPUとなる予定。HSAは、CPUとGPUなどの異なる種類のプロセッサを効率良く利用するための仕様で、CPUとGPUでおなじ仮想アドレスを扱うことなどを可能にする。

 これまでのGPUは、シェーダーコードで、物理メモリしか扱うことができなかったため、CPUがメモリに書き込んだ仮想アドレスを解釈してデータにアクセスすることができなかった。CPUでは、複雑なデータ構造を表現するために、メモリにアドレスを書き込んだ「ポインター」を利用することが多い。しかし、このポインターは、CPUが扱う仮想メモリアドレスが書き込まれる。このため、物理メモリアドレスしか扱えないGPUでは、これを処理できず、GPGPUでデータを受け渡す場合にCPU側がGPUにアクセス可能なようにデータを並べるなどしてポインターを使わない構造に変換する必要があった。

 これがオーバーヘッドとなり、GPGPUの速度的なボトルネックとなっていた。Bald Eagleは、HSA仕様に準拠し、GPUがCPUの扱う仮想メモリを解釈できるようになった。実際には、GPU側にもCPUと同等の仮想、物理メモリアドレス変換の機能が搭載される。GPUには、GCN(Graphics Core Next)アーキテクチャを採用したRadeon HD 9000コアを採用する

Bald Eagleは、HSAに対応した組み込み向けプロセッサ。GPUとCPUがおなじ仮想メモリアドレスを扱える

 Steppe Eagleは、現行のGシリーズと同じくJaguarコアを採用するが、低消費電力化が行われた強化版Jaguarコアとなっている。また、最高クロック周波数が高くなっており、これにより性能を向上させている。TDPは、5~25WとGシリーズの6~25Wに比べて若干下がっている。おそらくは、同クロックであれば、Steppe Eagleのほうが低消費電力となるため、TDPの最小値が下がり、同消費電力であれば性能が向上するため、最大TDPは据え置き(つまり性能は高い)になっていると思われる。ただし、Steppe Eagleは、HSA仕様には準拠していないが、GCNベースのRadeon HD 8000GPUを搭載する。

低消費電力向けの組み込み向けAPU Steppe Eagle。Gシリーズと同じくJaguarベースのプロセッサコアを搭載。ただHSA機能は搭載しない

 また、現行の組み込み向けディスクリートGPUであるRadeon E6460/6470の後継としてAdelaarが投入される。これは、基板の上に複数のデバイスパッケージを搭載したマルチチップモジュールのディスクリートGPUで、2GBのGDDR5メモリを搭載している。マルチチップモジュール以外にモバイルPCI ExpressモジュールやいわゆるGPUカード(PCI Express)の形態でも提供される予定だという。

組み込み向けのディスクリートGPUのAdelaar。GCNベースだが、単体のマルチップモジュールで2GBのGDDR5メモリを統合している

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