KDDI研究所で最新のデータ通信技術を見た
KDDIは23日、同社の通信技術を開発する「KDDI研究所」でLTE-Advancedを始めとするデータ通信技術を公開した。
現在、各キャリアが名称は違えど「LTE」という高速データ通信サービスを提供している。このLTEの次の世代通信技術として注目されているのが「LTE-Advanced」である。KDDIでは現在通信速度を上げるために使われているMIMO(Multiple Input Multiple Output)という通信技術をさらにアップグレードし、従来の3倍もの周波数利用効率にもなる「Advanced MIMO」を提案し、実用化を目指している。なおMIMOとは、複数のアンテナの組み合わせにより電波の帯域を広げるもので、主に無線LAN(IEEE802.11nなど)の高速化に使われている。
現在のMIMOでは、基地局と端末のアンテナが2本ずつだが、今後アンテナが4本→8本と増やしたとしても、端末側が対応していないと電波常に同じ強さで全方向から入ってきて非常に効率が悪い。そこでKDDIでは独自のデータ圧縮技術によりデータを分離して電波干渉を防ぐ。既存のLTEでは1Hzあたり7.5bps、また既存の技術の延長線では10bpsだったものが、Advanced MIMOでは20bpsという、約3倍もの周波数利用効率になり、ユーザー間干渉の低減にも繋がると説明した。
これらの技術は2018年頃に実用化を予定している。今後も増えるであろうトラフィックのためにも、早期の実現を期待したい。