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防水キーボード、ディスプレー保護シールもあり

米軍規格の堅牢Ultrabook「Latitude 6430u」-デルの14型法人PC (2/3)

2013年04月16日 11時00分更新

文● 林 佑樹

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米国防総省規格「MIL-STD 810G」に準拠した堅牢ノート

 Ultrabookに限らずノートPCにおける14型は、近年フィーチャーされてるカテゴリーだ。13.3型と15.6型の中間に位置し、据え置きだけでなくプチモバイルにも耐えることを前提にしたモデルが各社から登場。コストパフォーマンスの良さも魅力となっている。ビジネスで使うにしても、デスクから会議室、会社からプレゼン先へとノートPCを運ぶ「プチモバイル」をするケースは多くだろう。また、作業性からフルキーボードであることや堅牢な作りが欲しいとなった場合、やはり14型のラインナップはちょうどいい存在になる。

 Latitude 6430u Ultrabookは、幅338.2mm×高さ20.9mm×奥行き229.7mm、重さは3セルバッテリー選択時で1.69kgだ。平面サイズは他のUltrabookと変わりないが、高さはUltrabook要求のギリギリとなっている。外観は法人向けであるわりにシャープな雰囲気だ

 大きな特徴が耐久性で、カタログによると米国防総省規格「MIL-STD 810G」に準拠した設計で、厳しい操作環境に十分耐えるという。同規格に準拠したUltrabookは、このLatitude 6430u Ultrabookが世界唯一だ。防水キーボード、ディスプレー保護シールもあり、オフィスでよくあるキーボードにコーヒーをこぼしてしまう事故にも対応している。こうした点を考えると、重量1.69kgは軽い部類と考えてもよくなってくる

Latitude 6430u Ultrabookの外観。自己主張を極力抑えたデザインになっているが、先端部の厚みを減らしてスリムに見せるといった処理がされているため、ストイックではなく、落ち着いたデザインに着地している。また上記写真でもわかるが、液晶の発色はあまりよくない

 Latitude 6430u Ultrabookの試用機の液晶パネルは、14型で解像度1366x768ドット、アンチグレア。CTOでは、解像度1600x900ドットのパネルも選択可能だ。パネルの色は最上とは言えず、あくまでオフィスなどのアプリケーション前提であり、だいぶ青味が強い。また左右の視野角は広めだが、上下の視野角は狭く、姿勢を制限されるかもしれない。

 輝度を見てみると、最低輝度はかなり低く、明るい部屋でも最低輝度だとちょっと暗いと感じるほどだ。逆に最高輝度は最低輝度からすると思った以上に明るめになっており、屋外でもある程度の視認が行なえた。このあたりの素養も法人向け環境前提といったところだろうか。またディスプレーは180度まで開くことができるだけでなく、ヒンジ部分は金属メッキで強化されており、開閉はとてもスムーズと妥協がない。

 米国防総省規格に対応と聞くと、それだけで信頼を感じてしまうが、実際に持ち歩いた限りでは、けっこう雑に扱っても破損する気配がなく、カバンを軽く投げ置いても大丈夫だった。またそういったことからすると、満員電車での面荷重に対しても十分な性能をもっていると判断してよさそうだった。

本体前面。とくにインターフェイスやインジケーターもない。開閉しやすいように処理されているのもわかる

本体背面。大きめの排気スリットの左右にeSATA、HDMI出力が用意されている

本体左側面。電源、VGA出力、USB 2.0、ヘッドフォンジャック、ワイヤレスオンオフスイッチ

本体右側面。有線LAN(1000BASE-T)、USB 2.0、SDカードスロット

 インターフェイスは、USB 2.0×2、ワイヤレスオンオフスイッチ、HDMI出力、VGA出力、有線LAN(1000BASE-T)、eSATA、ヘッドフォンジャック、Webカメラ、ノイズリアクションアレイマイク、SDカードリーダーとシンプルになっている。有線LANに対応するのは企業向けならではか。

入力を徹底的に考えたキーボード

 作業のコアになるLatitude 6430u Ultrabookのキーボードは、アイソレーションタイプでキーピッチ19mm、独自サイズのキーは少ない。Fnキーと左ALTキーの横幅が通常サイズのキーよりも短く、右ALTキーがなく、矢印キーの両脇にPageUpキーとPageDownキーがあるといった点が独特な部分になる。右ALTキーは好みでわかれる部分だが、あえて小型にしたと思われるPageUpキーとPageDownキーは、矢印キーを誤入力することもなく使えるいい配置だと感じた。

 各種キーはキーの中心に向ってわずかに窪んでおり、タッチタイプのしやすさを助長している。つまり、指先でキーのセンターを感覚的につかみやすいんだ。またキーの押下もやわらかく、タイプ音も静かなので、機会があれば触ってもらいたいキーボードに仕上がっている。

 発熱ポイントは中央上部で、ファンクションキーのあたりが暖かくなるが、メインキーの部分は熱を帯びにくいため、長時間での作業でもストレスを感じにくいだろう。

近年レビューしてきたノートPC群の中で、際立って好印象しかないキーボードだ。クセは極力抑えられている。右ALTキーがない点とカーソルキーの両脇にあるPageUpキー・PageDownキーの存在で好みがわかれるところだろうか。PageUpキーとPageDownキーの位置はほどよく、とくにエクセル操作時にはだいぶ楽だった

 そしてトラックポイントの存在だ。機能としてはトラックポイント以上でも以下でもないが、スペースキー下にクリックボタン、ホイールクリックボタン、右クリックボタンがセットであるため、タッチパッドを使用せずとも操作が行なえる。またソフトウェア側でタッチパッドを無効化もできるため、オフィス内ではマウス、持ち出したときはトラックポイントといった使い方にも対応する。なおタッチパッド側のクリックボタンは、トラックポイント側のクリックボタンと併用可能。

(次ページ、「堅実なベンチマーク結果」に続く)


 

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