2012年から2013年の最新マザーボード事情
~AMD編その2~
AMDもうひとつのプラットフォームである第2世代APU“Trinity”シリーズ。内部アーキテクチャの変更により電源設計の大幅な改修が必要となり、904ピンの新ソケットSocket FM2が採用される。そのため、残念ながらLlano世代のSocket FM1との互換性はなくマザーボードは新規購入が必須だ。
対応チップセットは既存のAMD A75/A55に加えて、AMD A85Xが新たに追加。AMD A75の上位に当たる製品で、PCI-Express2.0(x16)のレーン分割が可能となりCrossFire Xを正式にサポート。さらにSATA3.0(6Gbps)が6ポートから8ポートへと増加されるなど、拡張面での強化が中心となる。
Socket FM2対応チップセット スペック表 | ||||
---|---|---|---|---|
AMD A85X | AMD A75 | AMD A55 | ||
開発コードネーム | Hudson D4 | Hudson D3 | Hudson D2 | |
PCI Express x16レーン | (x16)×1/(x8)×2 | (x16)×1 | (x16)×1 | |
Serial ATA | SATA3.0×8 | SATA3.0×6 | SATA3.0×6 | |
RAIDレベル | 0/1/5/10 | 0/1/10 | 0/1/10 | |
CrossFire対応 | ○ | --- | --- | |
PCI | 3 | 3 | 3 | |
USB 3.0 | 4 | 4 | 0 | |
USB 2.0 | 10 | 10 | 14 |
各社より発売されているマザーボードはバラエティに富んでおり、さまざまなフォームファクターの製品が店頭に並んでいる。中でもMini-ITX対応の製品が面白い。動画エンコードや録画用マシン用など、コンパクトかつハイスペックなPCを構築することができるだろう。
オススメはMini-ITXサイズ?
オンボード系やFM2対応モデルが熱い
インテルのメインストリームとなるIntel 7シリーズチップセット搭載製品は、ほぼ各社から出揃いユーザーは好みのモデルが選択できる。やはり気になるのがHaswellプラットフォームの存在だが、Ivy Bridgeベースで組むと決めたら相棒となるマザーボードの選択肢は多い。じっくりと検討することができるだろう。
とはいえ注目はやはりNUCだ。高速かつパワフルな小型PCが自作できるという点は魅力で、対応PCケースなども発売されている。今後も新モデルが登場することは間違いなく、新たな自作業界のトレンドとして定着していくこととなるだろう。
メインストリーム向けのAMD FXシリーズで新型チップセットの話題がない点は寂しいが、裏を返せばしばらくは使い続けることができるという考え方も。ハイエンド構成でも安く構築できるAMD FXシリーズは、自作PCらしい1台ができそうだ。
また、Mini-ITXフォームファクタベースでオススメなのが第2世代APUのTrinity。最近ではデザイン性に優れたPCケースも増え、場合によってはメインPCとして活躍できる1台も自作可能だ。
チップセットが決まればマザーボードの選択肢は自ずと限られてくる。チップセットの性能をフルに発揮したいならハイエンドマザーを、そうでないなら自分に不必要な機能を省略した、コストパフォーマンスのいい製品を選び出すことが重要だ。メーカー独自機能なども考慮に入れ、自分に最適な1枚を探し当ててほしい。さて、次回はさらに悩ましいビデオカード選びをレクチャーしていこう。
この連載の記事
-
第4回
PCパーツ
知ったかできる自作パーツ基礎知識【ストレージ編】 -
第3回
PCパーツ
知ったかできる自作パーツ基礎知識【ビデオカード編】 -
第1回
PCパーツ
知ったかできる自作パーツ基礎知識【CPU/メモリー編】 -
第-1回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2013 - この連載の一覧へ