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業界人の《ことば》から 第33回

インターネットプロバイダーだから提案できる通信料金の提案

ほぼスマホから見る、NECビッグローブの生きる道筋とは

2013年04月03日 09時00分更新

文● 大河原克行

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3つの新サービスがモバイル進出の鍵となるか

NECビッグローブ・代表取締役執行役員社長の古関義幸氏

 NECビッグローブの古関義幸社長は、「いまやスマートフォンの利用率は約4割。タブレット端末は年間450万台が出荷されると予測されている。また、LINEの利用者は国内4000万人、Facebookの利用者は国内1300万人に達している」と現在の状況を示しながら、「スマホや携帯電話を、家族全員が所有するようになり、気がつくと相当な月額通信費用を支払っていることになる。通信料金によって、サラリーマンのおこづかいが減っているという話もある。家族全員分の通信料金が大変だ、というお父さんのための提案が、今回のサービスになる」とする。

 NECビッグローブは、「BIGLOBE MOBILE」をキーワードに、従来からの固定回線上でのプロバイダーサービスの強みに加えて、モバイル環境での提案を加速させている。

 すでに、iPhoneやAndroid対応のスマートフォン向けアプリを約200種類ラインアップ。スマホで撮影した写真を自動的にコラージュしてスクラップブック風に管理できる「MIRU PHOTOBOOK」や、13種類の辞書アプリ、冷蔵庫の中身を管理する「冷蔵庫チェッカーDX」、14万曲83万歌詞をカバーする「スマフォメロディフリー」などを用意している。北米では、NECが持つ顔認識機能を活用したソーシャルアプリ「OpenIntro」の試験運用を開始しており、このアプリを利用することで、カメラをかざすだけで、名前を表示し、ソーシャルアカウントが自動的にわかるという環境を実現しているという。

 今回、発表した3つの新サービスは、モバイルに力を注ぐ同社の取り組みのなかで、大きなマイルストーンになるといえよう。

 インターネットサービスプロバイダーとして、固定回線だけを対象としたサービスでは、今後の成長には限界があるのは明らか。いまや成長戦略として求められているのはモバイルでの提案だ。通信回線をみずから持たないものの、インターネットプロバイダーという柔軟性を持った立場にあるNECビッグローブならではの生きる道筋を示したのが、今回の「ほぼスマホ」の進化だといえよう。

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