4Kはレンダリングが大変──わかむらPが語るボカロ映像制作

2013年03月14日 18時00分更新

文● 広田稔（@kawauso3）

くるぶしを見せたかったからポスターを付けた

わかむらPが映像以外に製作したもの左がDVD版、右がBlu-ray版

──　ジャケットや内容物もわかむらさんが作ったそうですが、その辺のこだわりも教えてください。

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　ジャケットは巡り合わせで、アイマスのアニメなどで辣腕をふるってる作画監督／アニメーターの山口智さんにお願いできました。Lat式ミクがポーズをとった画像と文章で指示したら、ラフの段階でいい意味でミクっぽくない色気があるイラストが返ってきてすごいなって。そこから清書してミクに近づけていただいたという。

　カラーで上がってきたときにかわいすぎて「これはジャケット詐欺になるな」って（笑）。それを見たときに、シンプルなデザインでミクを生かしたいなって思ったんです。例えばアイマスとか、アニメの限定版BOXって背景が単色でロゴマークだけみたいな感じですよね。でもシンプルに見えるけど、ジャケットのバランスとるのだけで丸1日かかりましたから。

──　要素が少ないとかえって大変ですよね。中身の歌詞カードは、背景が2色刷りのポスターになってますね。

　この二階調化したイラストも手間がかかってます。普通に二階調化しただけだとうまく影が落ちないので、3パターンに分けて二階調化したうえで、「Adobe Illustrator」のオートトレースツールでアウトラインをとった上で、部分ごとに結合しているという。髪の毛はグラデーションがかかっていて、うまく二階調化できなかったので、手で描いてます。

──　めちゃめちゃ手間がかかってますね。そこまでして付ける理由があったんですか？

　それはBlu-rayのジャケットだと僕のこだわってるくるぶしが切れてて見えないんです。

──　（爆笑）

　しかもよく見てください。お願いしたときはLat式ミクのブーツだったんですが、イラストではローファーを履いてる。こんなにディティールにこだわって描いていただいたのに、ジャケットでカットしてしまったのが非常に申し訳なかった。だからポスターにしたという。

──　くるぶしを見ろと。

　そう。DVD版のソファーに座ったイラストは縦長なので、足は見えてるんです。だからどちらを買っていただいても、余すことなくくるぶしが楽しめるというお得な感じになってます。さらにいうと、イラストは脇の下と、絶対領域の上に肉がのっかっているところがポイントです。普通はのっからないようにタイツの生地を厚くするんですが、あえてのせる。

──　フェチの極みですね。

　あとは指芸で、人差し指の曲がり方にこだわってます。指の表情や手のラインがすごく女性的で、そこで大人っぽさを強調できるので、どっちもアシンメトリーな指芸をやっていただきました。

──　中身の映像だけでなく、パッケージにいたるまでひとつの作品をまとめるという感じがまさに「P」（プロデューサー）ですね。

　ぜひお買い上げいただいて、パッケージや内容物にも注目してほしいです。あとは16日にはソニーストアの名古屋、17日にソニーストアの大阪でこの購入者限定のトークイベントを実施する（応募は終了）ので、ぜひ来場される方は期待していてくださいね。