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「劇場版 とある魔術の禁書目録」の謎に迫る 第3回

衛星軌道上で2000人規模ライブ!? 宇宙エレベーターはリニアモーター!?

とある魔術の禁書目録と宇宙エレベーターの熱い関係

2013年03月16日 11時00分更新

文● 林 佑樹

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緊急用の「リニアシャトル」が数十分~数時間で
中継ステーションに到着することは可能なんですの?

大野 「アリなのですが、与圧服がないと生命維持に問題が生じます。劇中でも装着しているので大丈夫だとは思うのですが……安全装置を外していると言っているので、加速Gに耐えられるかどうかが問題ですね。

―― 軌道ステーションから脱出する場合は?

大野 「クライマーで地上に降りるよりも、宇宙空間に逃げてしまったほうが安全かもしれません。たとえば国際ステーションにはソユーズが付いていて、緊急時はそれで脱出・降下するんです。ともあれ、一度、離れたほうがいいでしょう」

収容人数2000人以上のステーションはアリなんですの?

大野 「静止軌道上にあり、実質的に無重力なので大きいほどいいですね。先ほどお話ししたコリオリの力は、ステーションを大きくしたほうが受けにくいんです。

 あと、地球は球形ではなくジャガイモみたいに楕円で凹凸があるので、人工衛星は重力アノマリーと言われる“重力の強い地点”にちょっとずつ、引き寄せられてしまうんです。そのため、ときどきジェットやイオンエンジンを吹かして所定の位置に戻る作業が必要です。

劇中では多くの招待客がエンデュミオンに入場する描写がある

 ちなみに、その移動用燃料がなくなること=人工衛星の寿命とされています。

 話を戻しますが、エンデュミオンのステーションにも、自力動作できる機能があるかと思います。宇宙エレベーターなので、燃料面は問題ないですよね」

宇宙エレベーター協会・大野会長「人工衛星の寿命はハードウェアではなく、燃料量で決まってしまうのです」

適切なデブリ排除方法はあるんですの?

大野 「デブリに対して、太陽光の数倍から10倍程度のレーザーを照射し続けて、軌道速度に影響を与えて大気圏に落とすというやり方が研究されています。映像にするならばレーザー自体で破壊するほうが見栄えがいいと思うのですが、あくまでレーザー推進ですね。

 高出力のレーザーやミサイルなどで対象を破壊しても、またデブリが増えるだけです。レーザーは小型のデブリ用として、大型のデブリの場合はですね。またテザーが登場します」

―― また紐を垂らすんですの?

大野 「大型のデブリには、ある程度の長さのテザーを取り付けます。電気を通すもので、電気力学的テザーといって、電気を流すことで磁場と反発する力が生まれて、それが推進力になるというわけですね。

 ただ、デブリといっても燃料が切れた人工衛星には所有者がいますし、資産価値もあるので、どんどん処分していくという流れにはならないでしょう」

大野会長「クライマーは時速数十kmで出発して、十分空気が薄くなったところで時速300kmに加速、というような運用になるのでは」

そういえば大気圏突入時の熱は大丈夫なんですの?

大野 「あれは減速するためにやっているようなものなので、宇宙エレベーターの場合、そこだけゆっくり降りていけばいいことになります。また行程全体の0.05%くらいなので、あまり気にする必要もありません。上昇時も同様で、空気が薄くなったら速度を上げる、という運用になるのでは」

エンデュミオン実現への第一歩!
宇宙エレベーター技術競技会とは?

 宇宙エレベーター協会は、クライマー制作技術の競技会も主催している。これは、高い高度から垂らしたテザーに、自作クライマーを設置して上り下りさせるというもの。

出場するチームは大学の研究室が多い。数十kgの物体が数百mから落下することもありえるので、全員ヘルメット必須だ(提供:宇宙エレベーター協会)

 競技会の開催ごとにハイスペック化し、いまでは最高速度は100kmを超えるという。技術力は向上しているものの、その分コストも高くなっている。そのため、中高生の参加が難しくなったため、大野会長が考案したのがタミヤのRCカーのパーツを利用するというアイデア。

 軽量かつパーツも低価格、種類も豊富で、取材時には試作クライマーを見せていただいた。中高生向けの大会を計画しているそうだ。速度もハイスペック化したクライマーに近く、逆にこちらが主流になるかもしれないという。

中高生向け競技会用の試作クライマー。ほぼすべてタミヤのRCカーの部品で構成されている

TVシリーズスタッフが再集結!
原作者全面協力の完全オリジナルストーリー

「劇場版 とある魔術の禁書目録 ―エンデュミオンの奇蹟―」

 「劇場版 とある魔術の禁書目録 ―エンデュミオンの奇蹟―」は、原作者全面協力体制で贈る完全オリジナルストーリー。

 ストーリー詳細はもちろんのこと、軌道エレベーターのコンセプトをはじめとした学園都市や魔術サイドの新設定、それに伴うキャラやシーンのサンプルテキストなど、鎌池和馬氏自らが原稿を書き下ろしている。

 監督は錦織博氏、アニメ制作はJ.C.STAFFと、TVシリーズのスタッフ陣が再集結。

 さらに劇場版では、脚本に「アクセル・ワールド」「マクロスF」の吉野弘幸氏を起用している。



■あらすじ
 学園都市製宇宙エレベーター「エンデュミオン」。
 その完成を目前に控えたある日、上条とインデックスは無能力(レベル0)の少女・鳴護アリサと出会う。路上ライブで素晴らしい歌声を披露していた彼女を意気投合し、放課後を楽しんでいたところ、アリサにオーディション合格の知らせが舞い込む。エンデュミオン開通キャンペーンのイメージソングに、彼女の曲が大抜擢されたのだ。そんな幸せもつかの間、魔術師を引き連れたステイルが突如襲いかかってくる。ターゲットは、アリサ。なぜ科学サイドの人間である彼女が魔術サイドに狙われるのか? 魔術サイドの強襲を受け、学園都市側は女リーダー・シャットアウラ率いる秩序維持部隊「黒鴉部隊(くろからすぶたい)」を展開する。上条とインデックス、そしてアリサを取り巻く状況が混迷を極める中、ステイルは、こういった。

 「そこの彼女は、魔術サイドと科学サイドの間で戦争を引き起こしかねない」 と――。

 科学と魔術、そして、歌と奇蹟が交差するとき、「エンデュミオン」を舞台に物語がはじまる――!

舞台は学園都市製の宇宙エレベーター「エンデュミオン」

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