今回は2012年に成長したモバイルSNSである、Path.comのCEO、Dave Morin氏へのインタビューをお送りします。Pathは国内ではまだあまり知られていませんが、スマートフォンに特化した非常に使いやすいユーザーインターフェースと、友人数を最大150人に限るという2つの戦略で、2012年末に500万人を達成し、投稿頻度もFacebookの10倍にのぼる、異質のソーシャルを作り出しています。
日本に限らず、アメリカでも2013年頭に「ソーシャル疲れ」「Facebook疲れ」が話題に上るなど、ソーシャルネットワークサービスとどう付き合うか、世界的に岐路に立たされており、Pathはその1つの答えになるべく、取り組みを進めているそうです。
本題に入る前に、まずは季節の話題から。
日本とアメリカにおける
バレンタインデーの景色の違い
日本のバレンタインデーについて話をすると、米国の人たちは首を傾げます。なぜ「女性が男性にチョコをあげるルールなの?」と、そもそも日本のバレンタインデーの習慣を疑問に感じるそうです。米国では男女問わず、恋人や家族にプレゼントをするギフト・デーになっています。2月14日の午後は、地元バークレーの花屋にバラの花を買い求める長蛇の列ができていました。
街中では男性が花束を抱えて歩いている光景が当たり前のように見られます。東京の街中で、男性がバラの花束を抱えて電車に乗っていたらと想像すると、自分もギフト慣れしていないなというちょっと反省してしまいますが、皆さんはどうでしょうか。
Mashableに掲載されたインフォグラフィックでは、米国のバレンタインデーのギフト消費に関するデータを見ることができます(http://mashable.com/2012/02/12/valentines-day-online/)。2012年に予測される1人あたりの消費は126ドル。ここ数年の傾向を見ると、リーマンショック直後の2009年は前年に比べて20%落ち込んでおり、ギフト消費と景気が連動していることがよく分かります。
また、高い顧客体験を提供する事で有名な、Amazon傘下の靴中心の通販サイトであるZappos(http://www.zappos.com/)は、画像をクリッピングするソーシャルメディアのPinterestと組んで、「PinPointing」というギフト選びのサポートサービスを行いました(http://pinpointing.apps.zappos.com/)。Piterestにクリップされた画像を元にして、Zapposの商品をおすすめし「その人に何を贈ったら良いか?」というギフトのアイディアを提案するページを作ったのです。
バレンタインデーギフトの購入が依然としてディスカウントストアやデパートに集まっていることから、リアルでのギフト選びを楽しんでいる人が多いと考えられますが、少しずつ暖かみを持ってデジタルを活用しようと言う取り組みも進んでいます。

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