半導体メーカーNVIDIAは
スマートフォンのゲームサービスを武器にする
半導体メーカーのNVIDIAにしても、プレゼンの目玉はゲームサービスだった。発表時の会場からは「いいぞ! ビデオゲームだ!」という興奮気味の声が聞こえ、たいへんな盛り上がりを見せた。
NVIDIAはコンピューターの映像系チップ(GPU)を作る会社だ。チップはパソコンで本格的な3Dゲームをするときも必要なので、ゲーマーたちにも人気がある。CESで発表したのは、スマートフォンの心臓部にあたる「Tegra 4」というプロセッサーだ。映像処理が高速で、最新のゲームができる性能を備えているが、発表したのはそれだけではなかった。
NVIDIAが発表したのは「SHIELD」という、任天堂の「Wii U」と似ているゲーム機だ。中身はAndroidスマートフォンとおなじで、もちろんTegra 4が入っている。ソフトを入れるわけではなく、ネットにつないでオンラインゲームにログインする仕組みだ。ゲーム用のパソコンとワイヤレス通信することで、パソコンとおなじ品質のゲームができるようにもなっている。
とはいえNVIDIAは、任天堂やソニー、マイクロソフトのように、全国のおもちゃ屋さんにSHIELDの箱を積み上げる計画を立てているわけではないはずだ。その発表は、彼らがネットゲームをプレイするための「環境」を整えたぞ、ということなのだろう。
NVIDIAは、オンラインゲームの制作会社が本格的なゲームを運営するためのサーバーソリューション「NVIDIA GRID」も発表した。彼らはゲームアプリを配信するためのオンラインストア「TEGRAZONE」も持っている。世界中のゲーマーたちがスマートフォンで心からゲームを楽しんでくれさえすれば、Tegra 4は売れるし、NVIDIA GRIDも売れる。もちろんストアからの収益もある、文句なしの仕組みになる。