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クラウド化しない大企業は消える

「4Kバブル」って本当? CES報道におぼえた違和感

2013年02月13日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/アスキークラウド編集部

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半導体メーカーNVIDIAは
スマートフォンのゲームサービスを武器にする

 半導体メーカーのNVIDIAにしても、プレゼンの目玉はゲームサービスだった。発表時の会場からは「いいぞ! ビデオゲームだ!」という興奮気味の声が聞こえ、たいへんな盛り上がりを見せた。

 NVIDIAはコンピューターの映像系チップ(GPU)を作る会社だ。チップはパソコンで本格的な3Dゲームをするときも必要なので、ゲーマーたちにも人気がある。CESで発表したのは、スマートフォンの心臓部にあたる「Tegra 4」というプロセッサーだ。映像処理が高速で、最新のゲームができる性能を備えているが、発表したのはそれだけではなかった。

「Tegra 4」はスマートフォンの心臓部にあたるプロセッサー。HDRという写真加工技術なら、これまでより10倍のスピードで処理できるという

Something New... 誰に敬意を込めたものかは言うまでもない

 NVIDIAが発表したのは「SHIELD」という、任天堂の「Wii U」と似ているゲーム機だ。中身はAndroidスマートフォンとおなじで、もちろんTegra 4が入っている。ソフトを入れるわけではなく、ネットにつないでオンラインゲームにログインする仕組みだ。ゲーム用のパソコンとワイヤレス通信することで、パソコンとおなじ品質のゲームができるようにもなっている。

 とはいえNVIDIAは、任天堂やソニー、マイクロソフトのように、全国のおもちゃ屋さんにSHIELDの箱を積み上げる計画を立てているわけではないはずだ。その発表は、彼らがネットゲームをプレイするための「環境」を整えたぞ、ということなのだろう。

「NVIDIA SHIELD」というゲーム機。中身はAndroidスマートフォンだ。コントローラーのような形でゲームがしやすい。サイズは任天堂「Wii U」に近い

パソコンとワイヤレス通信(「Game Speed Wi-Fi」)したり、直接ネットにつなぐことで本格的なオンラインゲームが楽しめる

 NVIDIAは、オンラインゲームの制作会社が本格的なゲームを運営するためのサーバーソリューション「NVIDIA GRID」も発表した。彼らはゲームアプリを配信するためのオンラインストア「TEGRAZONE」も持っている。世界中のゲーマーたちがスマートフォンで心からゲームを楽しんでくれさえすれば、Tegra 4は売れるし、NVIDIA GRIDも売れる。もちろんストアからの収益もある、文句なしの仕組みになる。

スマートフォンで遊べる本格的なオンラインゲームを配信するためのサーバーソリューション「NVIDIA GRID」も開発した

NVIDIAは自分たちの手でゲームを配信するストア「TEGRAZONE」も作っている。クラウドは彼らにとってこれからの重要な資本となる

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