Amazon独自の電子書籍向けタブレット端末「Kindle Fire HD」(以下Fire HD)が日本でも発売されて、1週間ほど経った。「買って使っているよ」という読者も少なくないだろう。Fire HDは基本的に、Amazonの電子書籍サービスである「Kindle」の電子書籍を読むためのタブレットであるが、Android OSをベースとして内蔵アプリや独自のアプリストアを備え、汎用タブレットとしても利用できる。
この記事ではFire HDが搭載する機能やサービスをチェックして、その実力を検証してみたい。
低価格7インチタブレットとしては
ごく平均的な仕様
Fire HDの外観は、7インチディスプレーを搭載するごく一般的なタブレット端末そのものである。ディスプレーはIPS方式の液晶パネルを使用し、解像度は1280×800ドットのアスペクト比16:10となっている。Amazonでは「iPad miniより高解像度で画素密度が高い」ことをウリのひとつとしている。ディスプレーの周囲は広めのベゼルで覆われている。そのため本体サイズは幅193×奥行き137×高さ10.3mmで、重さは約395g。同じ画面サイズのAndroidタブレットとして人気の「Nexus 7」と比べて、奥行き方向が少し大きく55gほど重い。ただし、バッテリー駆動時間はNexus 7の最長8時間に対して、Fire HDは最長11時間と長めになっている。
ベゼル表面にはボタンの類はない、「戻る」操作やホーム画面への移動などは、すべて画面上のソフトウェアボタンで操作する。縦置き時のボディー上部には、ヘッドホン出力と音量ボタン(+/-)と画面のロックボタンが並ぶ。音量の-とロックボタンを同時に押せば、スクリーンショットを保存できる。縦置き時の右側面、横置き時の下側には、充電・データ転送用のmicro USB端子と、画面出力用のmicro HDMI出力端子が並んでいる。あとは底面側にステレオスピーカーのスリットがあるだけという、非常にシンプルな構成だ。
正直に言えば、Fire HDは高級感や所有欲をそそるデザインとは無縁な製品だ。16GBモデルで1万5800円の商品に、そこまで求める方が無体な要求というものだろう。そこは割り切りが必要だ。
