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業界人の《ことば》から 第10回

東芝 執行役専務 デジタルプロダクツ&サービス社・深串方彦社長:

クラウドによって、テレビざんまいの生活が始まることになる

2012年10月09日 09時00分更新

文● 大河原克行

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4K2Kの映像美を活かす新しい提案

 そして、東芝は、テレビ事業において、もうひとつの提案を行う。

 それは次世代テレビと呼ばれる4K2K方式のテレビだ。

東芝の「4Kテレビ」

 フルハイビジョンに比べて4倍の画素数を実現した通称「4Kテレビ」は、東芝が2011年12月に、世界で初めて製品化。このほど、第2世代の製品を、2013年春に発売すると発表した。

 まだ4Kで作られた映像コンテンツは少なく、テレビでも放映はされていないが、「新エンジンのレグザエンジンCEVO 4Kを採用。ブレーレイなどのハイビジョン映像を4K高画質映像に復元し、精細感や輝きなど、4Kならではの美しい画像を楽しむことができる」とする。つまり、すでにあるハイビジョンコンテンツをよりきれいに楽しむことができる環境を提案するわけだ。あわせて、4K画質で撮影されたデジカメの画像視聴の提案も進めていくことになる。

 価格は現時点では未定だが、「多くの人に、この価値に触れてもらえるように、お求めやすい価格を実現したい」(深串社長)と語る。

黒字化を目指すテレビ事業

 国内のテレビメーカー各社は、世界的な価格競争の激化と、地上デジタル放送への完全移行後の国内テレビ需要の低迷により、厳しい業績を余儀なくされ、コア事業ではないことを位置づける発言が相次いでいる。そうしたなかでの東芝の取り組みは意欲的に映る。

 しかし、その東芝も、上期はテレビ事業の赤字が見込まれている。下期の黒字転換により、なんとか通期でも黒字化を図りたいという状況であり、置かれた立場は他社と変わらない。

 それでも、「今後ますますテレビ体験を革新する力強い製品を創り出していく」と深串社長は意欲的だ。

 東芝の奮闘は、テレビ市場を活性化できるか。

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