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T教授の「戦略的衝動買い」 第202回

34年経って再登場した独ブラウンの腕時計を衝動買い

2012年07月26日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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アジャストボタンは指先での操作は不可能なので
誤作動の心配は無し

 アジャストボタンは、指先での選択操作は不可能で、広げたゼムクリップの先などでやっと操作できる中心が凹んだ丸い形状になっている。このボタンを押すことで、DW30の時刻設定や年月日設定、12時間表示と24時間表示の切り換え設定などを表面の右側のボタンと組み合わせて実現できるように考えられている。

反対に側面にある「アジャストボタン」は人間の指先では入力不可能な構造を採用する

 むろん、ストップウォッチや一般人には無縁のクロノグラフなどの機能は非搭載だ。暗闇で時刻を知ろうと、一杯あるボタンのどれかを間違ってちょっと長く押したら、運悪く設定ボタンだったり、慌ててほかのボタンを押したら、もはや現在時刻すら分からなくなり、戻るのも一苦労する、どこかの多機能な複雑腕時計とは違うのだ。

 腕時計本体には多少のアールがつき、腕にフィットしやすいように考えられているが、カーフレザーベルトの取り付け位置が腕時計の上面近くにあるため、腕首がスリムな人は、腕時計装着時の上下にはしばらく隙間ができるかもしれない。もちろん、ベルトがなじんで柔らかくなる頃には解決はするだろう。

腕時計本体の多少のアールが腕にフィットする

 復刻版のカーフレザーベルトは34年前のオリジナルとは多少異なり、約8mmごとに浅くカットされた溝が線上に付けられている。腕になじむのは早いかもしれないが、長く使っていると耐久性が少し心配だ。十分にテストはされていることを期待したい。尾錠はオリジナルと同様の太いピンと、ベルトを通して装着する時に、軟らかいベルトが傷つくことなく、スムースに滑るように取り付けられたユニークなローラーが特徴だ。

オリジナルモデルの裏板には何も記述がなかったと思うが、これも復刻版ならでは

筆者は極めて腕首にフィットして快適だ

ベルトの溝が少し耐久性面で気になる。国内保守サービスができるので安心だ

 暗闇で時刻を見たい時は、2つあるボタンの左側を迷わず押せば良い。沈み込む金属製のボタンと、指先に感じる明確なタクタイル感が操作への確信に応えてくれる。ディーター・ラムスの言う、あまりにも有名な「良いデザインの十ヵ条」の中の「良いデザインは製品を分かりやすくする」そのものだ。惜しむらくは、34年前の復刻版ではなく、現在のブラウンの新しい腕時計でこの完全性を実現してほしかった。とはいえ、ブラウンのDW30腕時計、歴史と完全性を買うには安すぎる価格だ。

暗所で時刻を知りたい時は、左側のボタンを押すだけで大丈夫。ボタンが1個減ることで何を実現できるかを考えるべきなのだろう

過去、複雑なことをたくさんやって、シンプルの重要性がちょっと分かってきたので、筆者の身の回りはシンプルなモノが自然と集まってきた


T教授

今回の衝動買い

アイテム:ブラウン「DW30 腕時計
価格:秋葉原・TIC TACにて2万4150円で購入

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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