GALAXY S IIIのカメラ機能を試す!
執拗にカメラをいじり倒してみた
ドコモの夏モデルスマホ「GALAXY S III SC-06D」は、GALAXYシリーズで初めておサイフケータイに対応し、より使い勝手が増したハイスペック端末だ。1000万台を超えたという販売台数が示すとおり、全世界で人気の端末になっている。
同端末はさまざまな機能が追加されているが、今回はその中でも性能が大幅にアップしたという“カメラ機能”に特化してチェックしてみたい。
裏面照射型センサーで高画質化
GALAXYシリーズは、これまでGALAXY S/S II/S IIIからGALAXY NEXUS、GALAXY Noteなどの端末が国内でも登場したが、今回のGALAXY S IIIでは、初めて撮像素子に裏面照射型センサーを採用した。
通常の撮像素子は、基板上にオンチップレンズが並び、そこから入った光がカラーフィルターを通って素子(フォトダイオード)に到達し、電気信号に変換される。フォトダイオードの数が「総画素数」という形で表現され、その中で実際に画像に使われる画素数を「有効画素数」という。
このとき、カラーフィルターとフォトダイオードの間には配線があるのだが、これが入ってきた光を遮り、一部の光がフォトダイオードに届かなくなる、という問題があった。この配線とフォトダイオードをひっくり返し、レンズから入った光がフォトダイオードの裏側から入るようにしたというのが“裏面照射型センサー”だ。配線に遮られることがなくなり、入射する光の量が増加するようになるのがメリットである。
原理的には古くからあるが、デジタルカメラ向けに実用化されたのは2009年で、それが携帯電話向けにも投入されるようになってきた。現在は、各社のフラッグシップモデルのほとんどに採用されている。
これによってセンサー感度が向上し、暗いシーンでより低感度でも明るい撮影ができるようになったほか、同じ感度だったらノイズが少なくなり、高感度時の画質が向上した。
そしてGALAXY S IIIだ。有効画素数約810万画素の裏面照射型センサーを搭載している。実際に撮影してみると、低感度でも解像感が高く、色味も鮮やかで、見栄えのする画像が撮影できる。今回比較したGALAXY Noteと比べると、明らかに画質は向上しており、iPhone 4Sと比べても、ややシャープネスは強めだが、細かい部分もよく描写されており、同等の画質といってもよさそうだ。
レンズは一般的なレベルで、F値もF2.6と明るさはそれほどでもないが、画角はiPhone 4S(35mm判換算で約35mm)やGALAXY Note(同約32mm)よりも広く、35mm判換算では30mm弱。昨今のコンパクトデジカメの主流は28mmなのでやや狭いが、携帯カメラとしては広角の部類に入る。
左からGALAXY S III、GALAXY Note、iPhone 4S。GALAXY Noteと比べてよりシャープで解像感が高く、細部の表現も優秀。iPhoneと比べると、オートホワイトバランスはやや青が強い
実際のところ、センサー自体はiPhone 4Sと同じ、ソニーの裏面照射型センサーを使っているようで、画像処理による味付けやレンズは異なるが、基本的な画質は同等だ。
高感度画質も、ISO400まではノイズもよく抑えられ、GALAXY Noteよりも明らかに低ノイズ。裏面照射型らしい、低感度時のざらつきはあるが、全般的に画質は良好で、カメラの性能は向上している。
