画面サイズで大きく違うノートパソコン
砂流 モバイルノートやタブレットを見てきましたが、エイサーの売上げを支えているのは圧倒的に15.6インチのノートなんですよね。
ウルトラブックもすでに3台目で、4月には15.6インチの「Aspire M3」をリリースしました。15.6インチクラスのノートは、本体サイズや重量に加えて、2、3時間しかバッテリーが持たないこともあって、据え置きで使っている方も多かったりします。でもAspire M3はバッテリー駆動時間が約8時間と長い。DVDスーパーマルチドライブもついてるので、家庭で使うには最適だと思います。ウルトラブックなので、スリープ状態から開いてすぐに使えるというのもポイントが高い。
遠藤 ディスプレーサイズの違いは、体験に大きな差が出ますよね。今だとメインストリームは13インチかな。画面サイズと性能のバランスがよくて、1台ですべての仕事をこなしたいノマド系や、会社の中で持ち歩きたい人には便利。だけどすべての人が13インチを選ぶ必要はなくて、日本人のモバイラーだと11インチが好まれている。
砂流 13インチでいうと、2009年に8時間モバイルが特徴の「Aspire Timeline」を投入してきました。あの頃に比べたら、13インチのイメージはかなりよくなってきてます。11インチで思い出すのは、以前、CEATECにブースを出した際、来場者の方々が「Aspire Timeline AS1410」を「名機」とほめてくれたことですね。
PCも使い方の再訴求が必要
遠藤 マルチデバイスが当たり前の時代になってきた今、PCもタブレットとは違う魅力が必要。キーボードやインターフェースをしっかり作っていくとか、明確な差別化が必要だと思います。
砂流 PCでひとつのきっかけになるのは、年内にリリース予定のWindows 8ですよね。そこで、どうPCを使ってほしいか提案するのが課題です。
今、PCは持っているけど開いてないという人が若い世代で増えていますが、「家デート」や「家活」といった家に絞ったキーワードもある。例えば、カップルで好きなアーティストのPVなどを交互に開いて見せ合ったり、FacebookやTwitterなど複数のサイトを行き来して見られるのは、PCのメリットですよね。それをもう一度どこかで再提案していかなければならない。
遠藤 これもタブレットと同じようにキラーコンテンツ次第かな。スマートフォンでは当たり前になっているアプリストアのPC版が重要かもしれない。100円、200円のアプリが機器の体験を大きく変えていますよね。昔はOSというとプログラムを動かすまでだったけど、iOSとAndroidによって、コンテンツの流通やソーシャルまで含んでデザインしなければいけないことが明らかになった。
同じコンテンツでも、ウェブで触るのと、アプリで触るのでは大きく違う。実際出てこないと分からない点もあるんだけど、案外、Windows 8はそういう時代をにらんでいて、今はその夜明け前なのかもしれない。
砂流 PCの売り方も大きく変わっています。例えばショップブランドのマシンで、ニコニコ動画対応をうたう製品があります。スペック的な特徴ではなく、使い方を中心に提案していく売り方です。
遠藤 案外、2ちゃんねるビューワーを入れるとかでも受けるかもしれませんよ(笑)。スマートフォンが広まった結果、アプリを通じて2ちゃんねるのまとめサイトを主婦層が使うようになったという話も聞きます。日本独自のネット文化が、案外、キラーコンテンツになるのかも。
砂流 確かにそうかもしれません。PCでもタブレットでも、時代に合わせて魅力的に思ってもらえる製品を今後も提供できるように努力していきますので、ぜひこれからもご期待ください。