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T教授の「戦略的衝動買い」 第195回

大口径が自然な低音だと信じて買ったAKGのヘッドフォンQ701

2012年06月07日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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最長で6m、最短でも3m
ライムグリーンン色のなが~いヘッドフォンケーブル

 Q701には、3mと6mという超長いヘッドフォンケーブルが付属している。プロダクトのテーマカラーなのか、クインシー・ジョーンズが好きなカラーなのか、ケーブルカラーがヘッドフォン個別のカラーとは関係なくすべて「ライムグリーン」というド派手なのだ。着脱式なので、自宅内でもほかの物に埋もれて行方不明にならないための配慮なのかもしれない。

無理矢理”オサレ”ともいえなくはないが、なぜかホワイトモデルのヘッドフォンにも、3mと6mの長~い場違いなライムグリーンのヘッドフォン・ケーブルが付属する

短い方でも3mあるのでキングコングでも使えてしまう。人間がDAPには使うには正直邪魔だ

 筆者は、それほどの長さは必要なかったので、2010年に”オーディオ銘機賞”を受賞した“オヤイデ製”のHPC-X62という1.3mの互換ケーブルを購入し、交換して使っている。オリジナルのケーブルで聴いた時間は短いが、オリジナルケーブルよりクリアで余裕の量感があって筆者の好きなサウンドになった。

ヘッドフォンケーブルはヘッドフォンとの接続部分でロック・アンロックして挿抜可能なので、サードパーティが発売しているオプションケーブルに交換できる

筆者は、電気ケーブルでは老舗のオヤイデ電気のHPC-X62(1.3m)を購入した

ケーブル専業メーカーだけに、コネクターにも大きなこだわりを感じる

純正と同じかそれ以上の確実度で「カチッ」とロックするので安心だ

 そもそも、最新のテクノロジーをつぎ込んで開発されたバランスド・アーマチュア方式の外耳道に突っ込み密着させるカナル型イヤフォンでも、所詮、ヘッドフォンのスケール感には太刀打ちは難しい。Q701で聴くジャズライブの女性ボーカルや、ベースとバスドラムのユニゾン的な再現性は、明らかに大型ヘッドフォンに軍配が上がる。

 やはり、バランスド・アーマチュア方式での低域再現はなかなか難しそうだ。筆者が衝動買いした同じAKG社のハイエンド・イヤフォンである“K3003”は、低域再生の為にバランスド・アーマチュア方式ではなく、ダイナミック型の低域ドライバーを採用し、ハイブリッド方式の設計を採用したことは理にかなったアプローチだ。

 モバイルDAP環境における、コンパクトで高性能なマルチ・ドライバー・イヤフォンと、自宅にいる時に楽しむDAP用高機能ヘッドフォンを切り分けて考えるのが、きっと持ち出し費用は多いが、もっとも投資対効果を感じることができるコンビネーションに違いない。

 ICT的には、ハイパワーのデスクトップPCと、モビリティーのモバイルPCやタブレットの違いを想像すれば、それぞれのメリット、デメリット、お互いがどうしても超えられないモノがあるのは自明だろう。

 さてどっちを選択するか、両方とも手に入れるか、それは目的と予算によって変わってくるだろう。21世紀になり、本来はアナログだったはずのオーディオも、好む好まざるに関わらず、単なるテクノロジー産業の仲間入りをしてしまった。オーディオの世界も“無い物ねだり”をしだすと破綻するところもICT世界とよく似ている。

自宅でDAPの“Colorfly”を聴くときには絶対にAKGのQ701を使うようになった


T教授

今回の衝動買い

アイテム:AKG「AKGクインシー・ジョーンズ・シグネチャー・ライン Q701」、オヤイデ電気「HPC-X62 交換ケーブル(1.3m)」
価格:Q701はAKGオンラインショップで5万9800円、HPC-X62はオヤイデ電気オンラインショップで4620円

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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