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HP「GLOBAL INFLUENCER SUMMIT」レポート 第4回

「HPはハードウェア企業である」という信念も

メグ・ホイットマンCEO「HPがソフトウェアの会社になることはない」と強調

2012年05月12日 06時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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 5月10日、上海で開催の米ヒューレット・パッカードのプライベートイベント“GLOBAL INFLUENCER SUMMIT”の締めとなるクロージングセッションに、事前に告知されていなかった同社CEOのメグ・ホイットマン(Meg Whitman)氏がサプライズ登壇。「HPはハードウェア企業である」という信念が語られた。

クロージングセッションには前日の基調講演同様、約50ヵ国から集まった500名以上のメディア関係者が集まった

 クロージングセッションは、前日の基調講演と同様にSteve Hoffman(スティーブ・ホフマン)氏の登場でスタート。北京を含め世界7ヵ所にある研究機関「HP Labs」の研究成果、Windows 8の発売を控える米マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏のビデオレター、「2012年はウルトラブックの年」とする米インテルの主席副社長ショーン・マロニー氏によるUltrabookのメリット解説などが行なわれた。

500名以上の研究員を要するHP Labs。アジア圏の拠点はバンガロール(インド)、シンガポール、そして北京となる

1966年のLED、1972年の関数電卓の開発など、HP Labsはさまざまなイノベーションのエンジンとなってきた

現在は、フラッシュメモリやDRAM、HDDをも置き換えるストレージの新技術「Memristor(メモリスタ)」の開発を行なっている

ビデオレターで登場した米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO

Ultrabookを語る米インテルの主席副社長ショーン・マロニー氏

 そして、サプライズとしてホイットマンCEOの登壇が発表。会場は拍手に包まれた。

迷走してきたHPの立て直しというミッションを担うCEOのメグ・ホイットマン氏

 ホイットマンCEOは、HPの強みはデバイスからデータセンター、クラウドまでをカバーする製品ラインナップであり、ソフトウェア、ハードウェア、サービス、そしてソリューションを取りそろえている点と説明。その上で、会場からの「前CEO(レオ・アポテカ氏)はHPをIBMの様な企業にしたいと言っていたが、あなたはちがうのか?」という質問に対し、「HPの売上げの70%はPCやプリンターなどによるものであり、ソフトウェアのビジネスにも関わっているが、ソフトウェアの会社になる気はない。お客様の問題を解決するためにソフトウェアを使うのだ」と説明。 「HPがソフトウェアの会社になることはない」とCEO就任以来の表明し続けている基本方針を、改めて強調した。

大企業のCEOとしては珍しく、会場からの質問を募るホイットマン氏

 また、中国市場については、「eBay時代にひと夏を中国で過ごしたことあり、そのときは忍耐が必要となる事も含めいろいろなことがあった」「中国の人たちは長期的な視点でものを見る」とした上で、欧米と向け製品をそのまま持ってくるのではなく中国向けのデザインも必要と表明。「中国法人の人員削減などは考えておらず」「長期的に大きな投資をしていく」とした。

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