16日、Twitter社のCEOであるディック・コストロ氏を迎えたメディア向けイベント「#FlywithTwitter」が開催された。今回のセッションでは、Twittetユーザー数の成長報告のほか、311以降のライフラインとしてのTwitter構想、近く搭載される予定の機能についての説明が行なわれた。
TPSの1位と2位にはこんなにも差がある
人気のTwitterであるが、世界中で見ても成長し続けている。プレス向けに配布された資料によれば、2011年4月の数字は、アクティブユーザー数が1億4000万人、1日のツイート数が3億4000万件、毎日ログインする人数が5000万人以上……。これが1年前の数字なのであるから驚きだ。
コストロ氏は世界と日本との成長差のグラフを指し示し「世界的に成長しているが、日本での成長率は世界と比べて高い」と話しており、日本がTwitterの重要な市場であるとしている。
1秒当たりのツイート数(Tweet per second/TPS)にも日本発の数字が数多く並ぶ。「天空の城ラピュタ/バルス」の25万888TPSを筆頭に「あけおめ 2012」「FIFA/なでしこ決勝」など、ベスト10のうち4つが日本のものだ。
コストロ氏はTwitterの特性について「同じ体験を共有して、お互いの距離を縮める」と簡潔に説明した。その上で「テレビでニュースや災害、“アラブの春”などの大規模なイベントを見ても非現実的に感じるが、Twitterは(個人の生の声が聞こえてくるため)世界との距離を近づける」と話す。
例として挙げられたのがスポーツイベントだ。氏によれば「参加している有名人が試合中にツイートしている場合がある。従来は試合後のインタビューで選手が何を言っているのかということを知ったが、現在は試合中のツイートで視聴者は同時体験できる」と説明する。特に印象に残ったのがレース中継における火災ツイートだったようだ。「火災の様子はテレビでも放映されたが、レースに参加した選手が火事の様子をツイートした。選手の観点でも視聴者はレースに触れることができた」(同氏)とTwitterの広がりに満足げだ。
Twitterはライフラインとなった
現在コストロ氏が積極的に展開しようと考えているのが、Twitterをライフラインとして利用することだ。
東日本大震災の例を挙げ、「本来国がしなければならない広報も震災でできないのでTwitterが代わりをはたした。また最新のニュースや電力状況、電車の運行状況などのアップデートな情報もTwitter上に流れた。政府からの情報やどういった薬があるのかという情報がハッシュタグを非常に特定の形で利用することにより役だった」と説明。こういった状況を他国も見ており、世界中から自然災害時にどのようにTwitterを利用すればいいのかという問い合わせが来ているという。
「どのように災害時に日本でTwitterが利用されたのかを調べ、海外にもその経験を伝えたい」と話しており、今回の来日は、災害時のTwitterの有効的な利用方法を日本のスタッフと協議するためにという側面も多分にあるようだ。
今後、ライフラインという役割を推進する部門に人員を採用して強化していきたいとしている。
タイムラインを見ていれば
重要なニュースも見逃さない!
セッションでは近く搭載されるであろう新機能の紹介も行なわれた。1つめが実際にフォローしていなくとも重要な情報が表示されるというものだ。具体的には“Discover”というハッシュタグを利用することにより、自分が登録していないアカウントやパーソナライズされた情報が表示されるという。
2つめがTV番組、スポーツ、コンサートなどの体験共有を簡単にできるようにする機能で、“イベント”タグを利用するという。イベントの画像を前面に出したり、イベントに関係のある人のアカウントを一番最初に表示させるといった機能のようだ。イベントに関しては情報を一覧できるものを作成することにより、ハッシュタグで検索する必要がなくなるとしている。
そのほかビジネス向けでの構想も発表された。これはAmazonのように企業がTwitterを使ってビジネス活動ができるようにするものという。これに関してコストロ氏は「広告主にとってTwitterは他のソーシャルプラトホームに比べて何倍ものROI(return on investment)になっている。企業向けのサービスは好調な出足で、米国でのサービスと同様のものを日本に導入する予定。これに対応して営業担当も増やす」と語った。
