手書きやマーキング、リスニングも自在
搭載ソフトウェアの1つ「教科書・ノート」では、紙の教科書と同じように使用できるような工夫がされている。手書きモードとしてメモを書き込んだり、暗記モードではマーカーを使うように線を引くことができる。また、PDFの表示も可能。
そして、「動画・音声」では、授業中に使う動画や音声の再生が可能で、自宅での復習にも適しているという。ここでは、4段階の可変速再生やチャプター機能により効果的なリスニング学習が可能になるという。
また、シャープのタッチディスプレイ「BIG PAD」との連動が考えられている。電子黒板としてBIG PADを使う場合、無線LANやBluetoothを通じて生徒のタブレット端末の情報を収集し、BIG PADに生徒たちの回答を一覧表示できる。もちろん、その一覧表示に書き込みを加えながらの指導も可能。
さらに、タブレット端末に生徒が入力した結果を集計し、全体の傾向を把握するといった、解答ボード機能、アナライザー機能を活用した指導も可能になる。
JL-T100の価格はオープンプライスだが、1台あたりの価格は4万円前後を想定しているという。
「仕様については、数十人の生徒に実際に使ってもらい、改善を加えていった。現時点で先行導入などの事例はないが、検討をしてもらっている段階。学校現場のほか、塾なども対象となる。さらに、将来的には校務での利用を想定した用途も模索していきたい」(シャープシステムプロダクト CAI推進チーム・永谷幸久チーフ)としている。
シャープは、学校向け教育支援システム「スタディシリーズ」を展開。8000校への導入実績があり、学校教育ソリューション事業では28年の歴史を持つ。
スタディシリーズでは、個別学習支援システム「インタラクティブスタディ」、協働学習支援ツール「スタディノート」を製品化。さらに小・中学校向けASP学習支援サービス「LessonMate」を投入している。
JL-T100は、こうした経験をもとに開発したもので、「紙に書くように手書きができること、教材を一覧できる画面サイズであること、そして、オープンなプラットフォームとすることで、様々な学習支援システムとの連動が図れることを狙った」(シャープ通信システム事業本部パーソナルソリューション事業部ソリューション企画部・田中淳司部長)と語る。
教育分野では、2020年までに児童、生徒の1人1台の情報端末の導入を計画しており、今回のタブレット端末の投入も、こうした動きを捉えたものとなる。