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日本市場で重視するのは、法人向け+個人向けハイエンドデスクトップ

HPのパソコン事業担当者、アップルについて言及

2012年02月15日 06時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 米ヒューレット・パッカード社が13日から米国ラスベガスで開催している「GPC 2012」。その会場で、アジア太平洋地域のPCビジネスを統括しているJos Brenkel氏が、パソコン市場の展開に関してコメントした。

Jos Brenkel氏

 PSG(Personal System Group)は、個人/法人向けのパソコン、ワークステーション、シンクライアント、POS端末などを扱うHPの柱となる組織。Brenkel氏は、そのアジア太平洋地域+日本のセクションを率いる。広範な製品を持つが、その全体を通したコメントとしては、強みであるパートナーとの関係を今後2年にわたって強化し、ソリューションビジネスを拡大していくというものだ。

 シンクライアントやPOS端末は特にこの市場での伸張が期待されている。

 一方、パソコン市場で注力するポイントとしては「Ultrabook」「Design」「Only one」の3点を挙げた。昨年は日本を含む全世界でパソコンがよく売れた1年となったが、2012年後半にはWindows 8の登場も控えており、パソコン市場が再加速するという観測も示した。

 日本国内のビジネスでは、MADE IN TOKYOを標榜するビジネスノートおよびデスクトップに注力。国内生産の強みを生かした納期の短縮とサポートを重視。ソリューション提案を含んだコマーシャル(企業)向けビジネスはその中心だ。

 コンシューマ(個人)向けでは、ハイエンドデスクトップの直販が好調で、ここを重視していく考えだ。日本は手堅い市場(ソリッドマーケット)であり、継続した投資を続けていくという。

 ワークステーションの分野では、SFF(Small Form Factor)と呼ばれる省スペース筐体(関連記事)を日本市場の要望を汲み上げる形で提供。全世界でも受け入れられた。

スマートデバイスをラインアップに持たないHPだが……

 Windows 8の見所のひとつには、タッチUIがあり、拡大しつつあるiPadやAndroidタブレット市場と直接対決という様相も呈している。HPはWindows 8によってパソコン市場に活気が出ると考えているが、2011年第4四半期(10~12月期)に世界でもっともパソコンを売ったメーカーがHPからアップルに変わったとする英Canalys社のレポートを引用し、それに対するコメントを求める質問も飛んだ。

 この調査には、パソコン用のOS(WindowsやMac OS X)を搭載した機種だけではなく、iPadなどスマートデバイスも含まれている。全世界で1億2000万台(前年同期比16%増)出荷されたこれらの製品のうち、アップルは17%のシェアを占め、HPは12.7%とこれまで占めてきた首位の座を譲った。調査では1000万台のiPadと500万台のMacが出荷されたとされ、タブレット市場の存在感が際立つ。

 これに対し、Brenkel氏は「AppleはiPadでNo.1になったが、これはパソコンではない」とし、これとは別のアプローチで「Ultrabookなどのセグメントに注力していく」とした。HPはレノボ・デル・エイサーなど、ほかの大手PCベンダーとは異なり、自社のラインアップにAndroid タブレットを持たない。Brankel氏は、教育市場などタブレットが有望とされるデバイスでもWindows 8+スレートPCによる提案にフォーカスしていくと語った。

 HPがWindows以外のタブレット型端末を持たない理由としては、webOSの事業との兼ね合いもあったと想像できるが、世界的にはパソコンとタブレットを同じカテゴリーで扱う傾向も増してきており、Windows 8のリリースがパソコン業界にどのような波及効果を与えるかは気になるところだ。

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