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「一太郎2012 承」はどう変わったのか?

2012年01月11日 12時00分更新

文● 後藤 宏

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「かなフォント」で文書に味を出す

 本製品では、従来の和文フォントと欧文フォントに加えて「かなフォント」の設定にも対応している。これにより、市販のかな専用フォントを文書スタイルに設定することができ、よりこだわった文書の表現が可能となっている。
 また、小説や随筆を執筆する際に便利な原稿用紙スタイルで文書を作成する場合も、マス目の色変更や名入れの設定などに対応。個性を際立たせた書面を作成可能だ。文書を引き立てるイラストや写真が約1000点以上用意されているのもうれしい。

「文書スタイル」から「かなフォント」の設定が実行できるようになり、さらに個性的な文書が作成できるようになった

連綿体フォントを縦書き文書の「かなフォント」として使用すると、画面のようにひらがなの美しい連綿が表現できる

「原稿用紙のカスタマイズ」では、マス目の色や名入れ、フォントなど細かな設定が用意されている

EPUB3.0に対応し手軽に電子書籍を公開

 ツールパレットにより利便性が大きく向上した「一太郎2012 承」だが、もう1つの大きな特徴はIDPF(国際電子フォーラム)が定義する電子書籍用の規格「EPUB3.0」をサポートする点が挙げられる。
 EPUBとは、パソコンをはじめタブレット端末やスマートフォンなどで、それぞれの画面サイズに合わせて適切にレイアウトが変更される仕組みの規格。最新規格となるEPUB3.0では、フォントや文字サイズ、文字色といった文字飾りのほかに、日本語固有のふりがな(ルビ)や文字結合、縦中横(縦書き時)、段組、脚注(文書末)といったさまざまな設定が可能となっている。
 今回、EPUB3.0に対応したことによって、まだまだ壁が高い印象であった個人での電子書籍の出版がグッと現実味を帯びてきたといえるのではないだろうか。なお、作成したEPUB形式のファイルは、電子書籍公開サイト「パブー」で公開が可能。ウェブをはじめ、タブレット端末や電子書籍リーダーなどで閲覧可能となる予定だ。

通常のファイル保存と同じようにEPUB形式でも「ファイル」メニューの「他形式の保存/開く」→「EPUB保存」で保存。変換作業などは必要ない

EPUB形式で保存する際には、タイトルや作者名、表紙のデザインなどを設定できる

日本語固有のふりがな(ルビ)や文字結合といった表現方法も、EPUB形式ならそのまま保存可能だ(赤枠内に注目)

電子書籍用のテンプレートを用意。電子書籍をどのように作成するか戸惑ってしまう場合は、イメージに近いテンプレートを参照しよう

作成した電子書籍は「パブー」などの電子書籍公開サイトで販売できる。したためた小説を販売して文壇デビューも夢じゃない!?

今度のATOKは新・推測変換エンジンで言葉を導き出す

「一太郎2012 承」のリリースにともない、ATOKも「ATOK 2012 for Windows(以下、ATOK 2012)」としてバージョンアップした。注目したいのが新たに搭載された「AS(Advanced Suggest)エンジン」だ。最近ではモバイル端末で文書を入力する際、いくつか文字を入力しただけで確定したい単語の候補が羅列されるのが一般的だが「ATOK 2012」でも同様の機能が取り入れられた。数文字入力すればATOK側が先回りして、あとに続く単語やフレーズを推測候補を表示。さらに入力を確定した場合にも前文節の文字列に応じた推測候補を提示してくれる。これなら打鍵数も減り、入力もスムーズにできて便利だ。

文字を途中まで入力しただけで、続く言葉の候補が推測表示される

推測候補が表示された状態でTabキーを押すと、候補の単語がさらに表示される。あとは目的の単語をカーソルキーで選択するだけだ

ATOK プロパティ」にある「確定直後に推測候補の自動表示を行う」にチェックを入れれば(初期設定ではオフ)、直前に確定された単語に応じた推測候補をさらに表示してくれる

 そのほかATOK関連では、新たに発売された商品や高視聴率のドラマ名など、次々と生まれる新しい話題のキーワードを収集して反映してくれるサービス「ATOKキーワードExpress」も注目だ(2月からサービス開始予定)。これなら旬のキーワードも簡単に入力でき、プライベートでのメールのやり取りのみならず、ビジネス面でも時代のトレンドを盛り込んだ企画書作りなどをサポートしてくれるだろう。

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