1年前のAndroidスマホより快適な操作感
Z1000はOSにAndroidを採用したことで使用用途が広がり、もはや携帯音楽プレーヤーというくくりでは縛れないものとなった。あまり大きなトピックではない、と冒頭で言い切ったが、音質向上に比べれば、という意味である。
無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)に対応しており、Webブラウズやメールの受信/送信、YouTubeの視聴はもちろん、GPSを内蔵しているのでGoogleマップで現在位置を表示したりもできる。さらに本機の強みはAndroidマーケットに正式対応している点で、Androidアプリの追加も自由に行なえる。
画面サイズが4.3型で、私の持っているスマートフォン(T-01C)の4型よりも大きいため、操作は快適。解像度は480×800ドットと、私のスマホの480×854ドットよりもやや低解像度ではあるが、使い勝手に関しては解像度よりも画面の大きさのほうが有利に働くことを実感した。
なお、WANモジュールは内蔵していないので、無線LANのない場所では単体での通信はできない。外出先ではモバイルルーターと組み合わせるか、スマホのテザリング機能を利用する必要がある。
再生する音楽に関しては、大きく分けて3つの入手法がある。1つは音楽CDからリッピングする方法、2つ目は「mora」などの音楽配信サイトで購入する方法、3つ目はアプリとしてAndroidマーケットで購入する方法だ。
1つ目、2つ目は従来通り、PC用の楽曲管理ソフト「xアプリ」を使えばいいし、PC上にすでに音楽ファイルがあれば、PCのエクスプローラーで(USB接続した)Z1000にファイルをドラッグ&ドロップすれば曲をコピーできる。
3つ目は、ソニー・ミュージックネットワークが提供するAndroid向けの「アルバムアプリ」や「シングルアプリ」「アーティストアプリ」を購入する、というもので、これらのアプリにはアーティストの写真や曲、動画などがパッケージングされている。アプリを実行することで、アプリのUIが立ち上がり、そこから音楽を再生したり、動画を見たりできるのだ。
アプリ自体はウォークマン専用、というわけではなく、Androidスマホなどでも実行可能。ただ、本機の場合はホーム画面に「ソニーミュージックアプリ ウィジェット」と呼ばれるランチャー型ウィジェットが初期導入されているので、アプリが購入しやすくなっている。なお、ソニーミュージックアプリ ウィジェットもウォークマン専用、というわけではない。
というわけで、使い勝手も向上……といいたいのだが、「向上」というまでには至っていないかな、というのが正直な感想だ。
xアプリのUIにはmoraが組み込まれており、当然xアプリで曲を購入したいと考えるユーザーはmoraを利用するのがスムーズだし、私もそうしている。
そのmoraはAndroid用に「mora touch」というアプリを提供している。Android端末から直接曲が購入できるアプリだ。ということは、xアプリを介さずに直接moraで曲が購入できるのでは、と期待するわけである。
しかしながら、このmora touchが本機では未対応となっている。つまり、moraで曲を買っても従来通り有線(USB)でPCと接続し、xアプリを起動して曲を転送しなければならない。
短絡的に「mora touchに対応してほしい」というよりは、xアプリ自体がAndroidアプリになってくれるといいんじゃないかと思う。もちろん、楽曲管理はPCのほうが便利なのでPC用のxアプリはそのままで、Android版xアプリでmoraの楽曲を直接購入できるようにして、さらに無線LANなりBluetoothなりでPCのxアプリと同期できると便利かな、と想像したりする。
というわけで、Androidスマホを持ってないけどAndroid端末に興味があり、かつ音楽好きの人なら、購入を検討してもいいはず。少なくともその音質は必見、いや“必聴”だと言っておこう!