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山谷剛史の「アジアIT小話」 第3回

7万円の高級グラボが中国でバカ売れしている理由

2011年08月23日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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 ウルトラハイエンドGPU「Radeon HD 6990」搭載の最強ビデオカード(関連記事)は、今もあまり値下がりすることなく7万円前後で売られている。

 日本人でも買うには勇気がいる価格の製品であり、中国人ならなおさらのこと、買うにはハードルが高いのは容易に想像できよう。

 実際、7万円だと都市部の住民でも2ヵ月分かそれ以上の給料が必要となる。もちろん、これまで中国ではハイエンドの製品はほとんどのPCユーザーにとって無縁なものであった。

グラフィックチップがBitcoinに!と紹介する記事

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 そんなRadeon HD 6990搭載の最強ビデオカードが中国でおそろしいほど売れている。なんでも、電脳街のASUSTeKやGIGABYTEなどのパーツメーカー代理店には、Radeon HD 6990搭載ビデオカードを十個~数十個まとめて購入する客がしばしばやってくるのだとか。

 その原因はオンラインゲームセンターと化したインターネットカフェの競争激化でもなければ、プロゲーマー養成機関が増えたからでもない。それには「Bitcoin」が関係している。

知る人ぞ知る電子マネー「Bitcoin」とは?

Bitcoinの exchangeサイト「Mtgox」。何度かハッキングされデータベースが流出している

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 Bitcoinとは世界で流通するP2Pベースの電子マネーで、日本人もキーパーソンとなっている。流通量の上限は2100万Bitcoinと決めた上で、Bitcoinに価値を見い出した人々がレートを決めて、リアルマネーなり商品なりの交換に使うと理解するといいだろう。

 Bitcoinは瞬く間に世界的に知る人ぞ知る電子マネーとなったので、クラッキングの対象にしばしばなり、データベースのデータを書き換えられたり、データが漏洩したりした。

 Bitcoinの一部始終についてはASCII.jpの「McAfee Blog」内にある「信頼が崩壊した、P2Pの電子マネーBitcoinの今後」にも書いてあるので、どんなものかを読んでみてもいい。

Bitcoinについての最新データが集まるBitcoinWatch

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 Bitcoinについてより詳しく知りたいなら、日本語ソースは貧弱なため、英語ソースのほか、中国語が読める人はBitcoinの中国語「比特幣」で検索してみるといいだろう(情けないことに日本語の情報よりも中国語の情報の方がずっと充実しているのだ)。

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