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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第105回

IBM PC BusからPCI Expressまで PC用拡張バスの歴史

2011年06月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 今回からは「バス」の話をしたい。PCは昔から拡張性を実現するために、主要なコンポーネントを全部基板の上に搭載するのではなく、拡張スロットに装着する形でコンポーネントを追加・変更できるように配慮してきた。この拡張スロットと本体をつなぐものがバスである。

 当初はバスと言えば、拡張スロットを使ってケース内部でコンポーネントを接続するものだけであったが、その後はUSBに代表されるような「ケースの外のデバイスをつなぐ」バスも登場しており、現在ではこちらの比重がかなり大きくなっている。

PC用バスの歴史を振り返る
最初のバスは4.77MHz

PC用拡張バスのロードマップ

 初回はまずオーバービューということで、全般的な話を少し説明する。上のロードマップ図は、IBM PC以降で利用されてきた、拡張スロットを利用するタイプの汎用バスをまとめたものである。いささか「汎用」とは呼びにくいものもあるが、それについては後述する。

 1981年に発表されたIBM PCで採用されたのが、通称「IBM PC Bus」である。機能面では続いて登場する「XT Bus」に近いものだが、厳密には若干違うので(IBM PC/XTで多少機能が追加された)、ここでは一応分離して紹介している。

このIBM PC Busに接続されたコンポーネントには、以下のような物がある。

  • メモリー
  • グラフィックスカード
  • キーボード/マウスインターフェースカード
  • RS-232Cインターフェースカード
  • プリンタインターフェースカード
  • FDDインターフェースカード
  • HDDインターフェースカード
  • カセットインターフェースカード

 最初のIBM PCは、4.77MHz駆動の8bitバスで外部と接続するインテルの「8088」をCPUとして搭載していたから、メモリーも拡張バス経由で問題なかった。

 2年後に登場した「IBM PC/XT」では、基本的な性能は同じながら拡張性を若干強化しており、これにともないバスにも若干の制御信号などが追加になっている。これがいわゆるXT Busである。ちなみにバス幅は8bitで、信号速度はCPUと同じく4.77MHzである。

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