日本でパソコンといえば省スペースなノートに注目が集まりがちだが、パワーやプライスパフォーマンスを求めるならまだデスクトップのほうが有利だ。中でも人気が高いのが、ディスプレー一体型。BCNランキングで2011年4月におけるデスクトップパソコンのランキングを見てみると、上位10位をすべて一体型が占めている(関連リンク)。
Macでもこの状況は同様で、デスクトップの売れ筋は一体型のiMacだ(先に挙げたBCNのランキングには、旧モデルの21.5インチiMacもランク入りしている)。5月頭に登場した最新モデルでは、全機種で第2世代Core i5/i7と新しいインターフェースの「Thunderbolt」を採用して、さらに魅力がアップした。アップルから実機を借りたので、前編では外観と使用感をチェックしていきたい。
オールインワンですぐに使える!
初めにiMacの位置付けを確認しておこう。Macはラインアップがかなり絞られており、デスクトップはiMacに加えて、コンパクトタイプの「Mac mini」と、プロ向けのタワー型である「Mac Pro」(旧Power Mac G5)しかない。2005年にブラウン管型(CRT)ディスプレーを採用した「eMac」がなくなってから5年以上、この3シリーズをアップデートしてきたことになる。各特徴を簡単にまとめると、以下のような感じだ。
iMac、Mac Pro、Mac miniの特徴(2011年5月現在)
機種名 | iMac | Mac mini | Mac Pro |
---|---|---|---|
ディスプレー | 一体型 | なし | なし |
処理性能 | ○(Core i5/7) | △(Core 2 Duo) | ◎(Xeon) |
拡張性 | △(メモリーのみ) | △(メモリーのみ) | ◎(メモリー、HDD、グラフィック、光学式ドライブ) |
省スペース | ○ | ◎ | × |
消費電力 | △ | ◎ | × |
価格 | 10万円8800円〜 | 6万4800円〜(キーボード/マウスは別売) | 22万8800円〜 |
iMacの魅力は、10万円台から買えて、ディスプレーやマウス/キーボードがすべてセットですぐに使えるという点にある。とにかくマシンパワーや拡張性が欲しければMac Proしかないが、趣味で動画を編集するレベルなら十分にiMacで役割を果たしてくれる。21インチモデルが解像度1920×1080ドット、27インチモデルが2560×1440ドットと、同じ価格帯のノートに比べて液晶サイズが段違いに大きく解像度も高いので、Macのデスクトップが欲しいという人には一番の選択肢に入る。
古いデスクトップパソコンを使っていて、そろそろディスプレーごと新しい製品が欲しいという人にもオススメだ。まとめてiMacに買い替えることでパソコン本体をなくして、デスク周りの見た目をすっきりできる。気分のいい状態でパソコンに触れるというのは、案外、重要なことだろう。
21.5/27インチの差が縮まった!
ついでにiMacにおける21.5/27インチの違いもチェックしておこう。両者はディスプレーサイズ以外にも下記の3点が異なる。
- CPU/グラフィック性能の上限(27インチの方が少し高性能)
- Thunderboltのポート数(27インチは2基、21.5インチは1基)
- VESAマウントへの対応(27インチのみ)
従来モデルでは上記に加えて……
- ディスプレー入力の対応(27インチのみ、後述)
- カスタマイズ注文におけるSSDのオプション(27インチのみ)
という2点で21.5インチが劣っていたが、この5月発売の新製品でアップデートされてこの2点は同等になった。そのほかの仕様は一緒なので、ほとんどの人はディスプレーサイズの好みとおサイフに相談しながら選べばいい。