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外観の魅力をこってりチェック!

これぞ究極のオールインワン! 新iMacをレビュー(前編)

2011年05月23日 12時00分更新

文● 広田稔(kawauso3

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極限までムダを減らしたデザインが秀逸

 それでは外観のチェックだ。iMacは、2007年に筐体がアルミ基調に変わってから6世代に渡ってほとんど見た目が変わっていない。

 正確にいえば、2009年10月発売にマイナーチェンジして、ディスプレーサイズが20/24インチから今の21.5/27インチという構成に代わり、ディスプレー前面にガラスが付いたりしている。しかし、よほどMacに興味がある人以外は、「同じアルミのiMacがずっと売っている」という印象のはず。新鮮味はまったくないものの、致命的な不具合がない(いわば“枯れた”)「熟練のボディー」というわけだ。

本体正面。ディスプレー上部にはFaceTim HDカメラ(ウェブカメラ)があるのだが、まったく目立たない

背面もこの通りすっきり。何となく部屋を整理整頓してからお迎えしたくなる!?

 巨大なディスプレーを置いてる割には、デスク周りがすっきりするというメリットもずっと受け継いでいる。付属のキーボードとマウスがBluetooth接続なため、ケーブルは電源のみでOK。デスクトップパソコンというと机の後や下がケーブルで“スパゲッティー”状態になりがちだが、標準状態で使う分にはそうした見た目の煩雑さがない。

 表面の凹凸を極限まで減らした外観も、すっきりさをアップさせている。まず、一見しただけではネジがどこにあるのか一切分からないのがスゴいところだ。一応、本体底部にメモリー交換のカバーがネジ止めされているが、言われなければ気付かないだろう。パソコンに必ず付いている製造国や認証試験マークは、台座の足裏にさりげなくプリントしている。細かく見ると「そこまでやるか!」とデザインにかける気合いが伝わってきて楽しい。これぞMacの醍醐味だ。

左側面と右側面。右側にはDVDスーパーマルチドライブとSDXCカードスロットを用意している

 一方、世の中には完璧なものがないように、デザイン優先の弊害もある。実用にあたって困るのは、USBポートがディスプレーの背面にしかないという点。例えばUSBメモリーを差し込む場合、ポートの位置を自分の目で確認したい場合、iMacの背面に回り込むか、iMac本体を動かして回すことになる。オーナーとしては、側面や本体の下端などにあったほうが目視しやすくて便利なのだが、そこを見た目のためにあえてやらないのがアップルなのだろう。面倒な場合は、USBハブを用意しておくといい。

背面左下側にあるインターフェース類(写真は27インチ)。左から、オーディオ出力、オーディオ入力、USB 2.0×4、FireWire 800(IEEE1394b)、Thunderbolt×2、1000BASE-T対応有線LANポート。ディスプレー側から見た場合、右下側に位置しており、正面に座って使っている限り目視できない

 人によっては、高さを調節できないのが気になるかもしれない。27インチの場合、設置面から画面の下(デスクトップの下端)までは15.3cmだった。筆者の場合、ノートパソコンに慣れていることもあって、ディスプレーをやや見下ろす体勢で使うほうが肩こりがしにくい印象だ。高さを調整したい場合、27インチに限られるが、VESAマウントを装着した上でディスプレーアームを利用するのもひとつの手だろう。

手動で計測した最大値は、仰角が約27.5度、俯角が約4.5度。少し低めのテーブルに本体を置いて仰向けにすれば、見下ろしながら使うことも不可能ではない

 もうひとつデザインに関して、拡張性も犠牲になっている。iMacの内蔵HDDはちょうどディスプレーの裏側に配置されており、交換したい場合には吸盤付きの取っ手などを使ってガラスパネルを外さなければならない。戻すときにホコリが混入しないように注意する必要があるなど、この作業がかなり面倒くさい。

 さらに、すでに海外で話題になっているように、最新のiMacはどうやら温度センサー内蔵の特殊なHDDを使っていて、市販のものに交換するとファンが回りっぱなしになるという。サードパーティから回避するためのパーツも発表されたようだが、iPhone/iPadシリーズのメモリーやバッテリーと同様にとらえて、基本的には自力での交換は困難と考えたほうがいい。

 写真を撮りためたり、ビデオ編集をするという人は、Apple Storeで最大2TBのHDDや、2TB HDD+256GB SSDにアップグレードできる2.7GHz版21インチモデル、あるいは27インチモデルの購入をオススメしたい(もちろん外付けHDDでもいいのだが、これも見た目が……)。

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