個人的な話になるが、筆者のデスクトップPCの調子が悪くなった。いくらOSを入れ直してもシステムが安定しない。中国では都市部と言っても、日本より埃っぽいため、PCケースやCPUや電源など、ファンというファンへ埃があっという間に吸着してしまう。そして、放っておくとファンを傷つけ、異音が発生するようになったり動作不能になったりする。
いろいろ調べた結果、どうもマザーボードの問題ではないかと思った筆者は、タワー型PCを抱えて路線バスに揺られて電脳街へ向かった。
中国ではあらゆるジャンルの修理屋が身近に
中国の製品は、今も昔も故障・不具合と隣りあわせだ。故障しやすい製品に囲まれているからこそ、修理するという習慣が身近にある。中国のユーザーとしては、メーカー保証は「お客様を大事にしているという証のひとつ」であり、必要不可欠なものである。
しかも、メーカー保証期間が終了した後でも、壊れて買い換えることはなく、修理屋に依頼して製品の延命措置を施すのが中国では一般的。中国製品の寿命は短いが、中国人は高価な製品を買って長く使おうとするわけだ。
修理のニーズがあることから、どこの住宅地にも家電を直す“よろず修理屋”があるし、最近は電脳街にあったPC修理屋が、PCの普及に伴い電脳街の外にも進出してきている。
書店に行けば家電の修理本コーナーがあり、そこには「ソニーのブラウン管修理マニュアル」「中国メーカーの液晶テレビ修理マニュアル」などといった、特定のメーカーの非公認修理ガイドブックが売られている。
PCのハードウェア本もあるが、個人の自作ユーザー向けではなくPCショップの店員向けが多い。ショップブランドPCを組んだり、買い取った中古PCをメンテナンスするので、PCショップにはしばしばPC修理本が置かれている。
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