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iPad日刊紙「The Daily」創刊—Appleの狙いは何か?

2011年02月07日 19時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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雑誌のようなデザインを採用した「日刊新聞」

 まずは論より証拠、実際のThe Dailyの動作画面を見てもらうのが一番だろう。大枠の操作体系はWIRED Magazineのそれに酷似している。ただ大きな違いはWIREDが月刊誌なのに対し、The Dailyはその名の通りあくまで「日刊の新聞」だという点だ。

 最新のニュースが適時挿入され、記事ジャンルも一般的なニュースから芸能、スポーツ、文化まで幅広い。News Corp.がその道のプロフェッショナルを100人以上集めて編集部を編成しており、準備期間にして最低でも半年以上、これまでに投入した予算は3000万ドル、1週間の制作コストだけで50万ドルという肝いりのプロジェクトだけはある。

「日刊新聞」というだけあり、記事はデイリーで更新が行なわれるが(写真は2月2日版)、それ以外にもニュースなどは一定間隔で逐次更新されるスタイルを採用しているようだ。「Notification」をオンにすることで、Breaking Newsなどの速報を取得できる

 ただ日刊の新聞という位置付けながら、その内容やレイアウトは雑誌のそれに近く、豊富な写真やアニメーション、動画によって読み応えのある出来映えとなっている。正直、この内容が日刊ベースで更新されても、よほど時間がなければすべては読みこなせないだろうという感じだ。新聞や雑誌のお気に入りや気になったページを流し読みするのと同じで、それだけのボリューム満点の内容だと考えてもらえばいいだろう。

The Dailyのメイン画面。通常ビューとランドスケープモードでデザインが変化する

ニュース記事は、iPad本体を回転させることで異なるデザインで表示される。例えばこの雪のニュース記事をランドスケープモードで閲覧すると……

このように文章がすべて消えて写真ギャラリーモードになる。なお、画面右下に見える矢印はフリック操作でスクロール可能な向きを示している

こちらの記事の表紙部分は写真の向きが変わるだけ

レイアウトが変化する記事も。文章の量は同じなので、1画面で表示されるデータの内容は同じ

 ヘッドラインを流し読みする機能を備えていたり、「TV」の形をしたアイコンをクリックすると主要ニュースを動画で紹介してくれたりと、朝の忙しい時間や昼休みのタイミングなど、”ながら”作業でニュースを見ることもできる。新聞や雑誌ではお馴染みのクロスワードパズルなどのゲームも用意されており、暇つぶしにも最適だ。

「TV」アイコンをクリックして最新ニュースを動画でチェック。スタンドに立てかけて流し見するのにちょうどよさそうだ

雑誌や新聞でお馴染みのクロスワードパズルも健在

Sudokuもある。こうしたゲーム類はGame Center機能と完全連動しており、データ記録が可能

(次ページへ続く)

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