AMDは26日、シンガポールにて「AMD Asia Pacific Fusion Tech Day」と題したイベントを開催した(関連記事)。イベントのテーマは、1月4日に発表された同社の新プロセッサー「Fusion APU」。Fusion APUと搭載パソコンの、アジア・太平洋地域では初のお披露目となるイベントだ。
会場には多数のFusion APU搭載パソコンや小型パソコン用マザーボードが展示されており、「低価格PCと言えばFusionの時代が来るか」と思わせるほど。この記事では会場で見かけたFusion搭載パソコンをまとめて紹介しよう。
AMD E-350シリーズ搭載ノート
低消費電力ながら高性能という特徴を生かして、Fusion APUで最も多くの製品に採用されているのが、コード名「Zacate」で呼ばれていた「AMD E-350」(1.6GHz)である。その特徴に加えて低価格という魅力により、特にモバイルユースに適した11~13インチディスプレー搭載のノートパソコンで多く採用されている。
AMDによる講演では、ソニーが12日に発表した「VAIO Y」が大きく取り上げられた。まだ登場直後ということもあってか、デザイン面に注力した製品が少ない中、VAIO Yはスタイリッシュな外見とカラフルな天板を身にまとったモバイルノートとなっている。AMDのワールドワイド・プロダクトマーケティング担当副社長であるレスリー・ソボン(Leslie Sobon)氏も、ピンク色の天板のVAIO Yを「一番のお気に入り」と述べるなど、評価も高い。日本での発売は1月29日の予定で、予想実売価格は10万円前後と、Fusion搭載ノートとしてはやや高めだ。
レノボがInternational CES 2011で発表した「ThinkPad X120e」の注目も高い。従来機種の「ThinkPad X100e」ではAthlon Neo MV-40(1.6GHz)が採用されていたが、性能面ではもう一歩物足りないところがあった。しかしFusion APUでは、CPUコア自体の性能向上に加えて、内蔵GPUの強化により全体的に性能が高まっている。E-350を搭載するX120eに注目が集まるのも当然だ。日本ではまだ未発表の製品だが、その登場が期待される。