120点は冗談だが、満足度は90点!
──レースの現場で運用されているシステムについて教えてください。
テイラー サーキットでは、38台のHPサーバーが運用されています。そして、2011年は5台のサーバーで運用可能になることを目標としています。このほか、約50台のモバイルワークステーションも使用してます。
ストレージ容量は、16TBですが、これには、今年のレースデータはもちろん、現地のロケーションや路面情報といった過去の情報も含まれています。このほか、レースごとに800GBデータが記録され、蓄積されています。
現場とデータセンターとは、リアルタイムで接続されており、こうしたデータをやり取りしています。
──F1では年々レギュレーションが厳しくなってきていると思いますが、その環境の変化のなかでITが果たした役割を教えていただけますか?
テイラー 財務危機がありましたので、チーム一丸になってコスト削減をしなければならなければなりませんでした。仮想化やシミュレーションなどのテクノロジーを使うことで、予算削減ができるようになりました。
F1のエンジニアリングは、今後さらにイノベーティブになると思っています。
──現在のHPのワークステーションの満足度は?
テイラー 120点あげておこうかなと思います(笑)
現在のZシリーズのエンジニアリングは究極的なところにあるかと思います。
車体整備をしているときに、必要なツールをその都度取りに行くことがなくなり、時間を無駄にすることがなくなりました。パフォーマンスは以前比べ21%向上しています。また、作業効率が向上することで、作業時間を短縮でき新しい試みをする時間が取れるようになりました。
また、PCから出る騒音が小さくなってくれたので、デザインを担当する部門では、作業に集中できるようになりました。生産性が飛躍的に向上しています。
先ほど冗談で120点と申し上げましたが、常に次への挑戦が待っているため、完璧ということはありえませんので最終的な評価は90点としておきます。
──今年は雨の中でのレースが多かったと想いますが、PCの防水対策はしていますか?
テイラー 私たちエンジニアは、HPがいつ防水PCを作ってくれるか楽しみにしています(笑)
──ありがとうございました。
なお、防水については雨が降るとキーボードに水が入ってしまうので、それは問題ですねとHPスタッフがコメント。5年目に6台のワークステーションのうち1台がモバイルでしたが、いまは3台に1台になっているので、ハードな環境での運用が可能であるかのテストはしているとした。なお、ルノーF1チームに提供されているモバイル、デスクトップともに一般的な生産ラインで作られている製品を使っているという。