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「売れる」Webコンテンツを作る3つの視点 (3/3)

2010年08月03日 10時00分更新

文●井上果林/ロフトワーク クリエイティブディレクター

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3.ターゲットユーザーの視点:
ターゲットを明確化し、Webコンテンツと接するためのストーリーを考える

 製品の訴求点と同様に欠かせないのがターゲット(読者)の明確化と、ターゲットがWebコンテンツを読むシチュエーションの設定です。

 まずターゲットを明確にします。年代、性別、好みの傾向、そのほかたとえばBtoBの製品ならターゲットとなる業種や職種などを押さえて具体化していきます。

 ターゲットを設定したら、次はどんなシチュエーションでWebコンテンツが読まれるのかイメージし、シチュエーションに合うWebコンテンツを考えます。たとえば、仮に商材を「経理ソフト」、ターゲットを「企業の経理部門の部長」と設定してみましょう。この場合、Webコンテンツが会社のオフィスで読まれる可能性があるため、オフィスで見てもあまり恥ずかしくない真面目なトーンのデザイン、という答えが考えられます。

 つまり、ターゲットがWebコンテンツを読む様子をイメージすることで、デザインや原稿の方向性が自然と見えてくるわけです(これはいわゆる「ペルソナの策定」にあたり、本格的なペルソナ調査を実施すると、より現実に近いストーリーが見えてくるでしょう)。


プロジェクトの成功はクライアント協力あってこそ

 ここまでお話ししてきたのは、Webコンテンツの制作時に押さえておきたい、ごく基本的なポイントです。もちろん、これさえ押さえればすべて成功できるわけではありません。

 ただ、さまざまなクライアントの方々と一緒にお仕事させていただく中で、最近強く実感している私なりの法則があります。それは、「クライアントの協力があってこそ、プロジェクトは成功に近づけられる」ということです。

 たとえば、製品への知識について。制作ディレクターは、プロモーション対象となる製品や、その製品を買うお客様のことをリサーチし、魅力的に伝える方法を考えていきます。しかし製品に関する知識は当然ながらクライアントには及びません。

 一方のクライアント側は、自社製品への知識を持っており、現場の生の反応、空気を一番に感じています。そこで、ディレクターはクライアントの方々に「お客様の雰囲気」や「製品のどこに魅力を感じてもらえていることが多いか」といったお話を伺うことで、より現実に即したWebコンテンツを提案できるのです。

 なお、私がWebコンテンツの企画制作をお手伝いしているNEC様では、同社のビジネスポータルサイトWisdom(ウィズダム)に会員様限定のWebコンテンツを設置し、ITや経営課題をテーマとした情報提供をすることで商品の訴求につなげています。記録的な成約率を誇るコンテンツ「Wisdom eセミナー」の戦略から制作の秘訣までを、8月31日に開催するセミナーで詳しくお話する予定です。ご関心がある方はぜひお越しください。

~商談に繋がるWebコンテンツとは?~
NECが語る、CRM戦略におけるWebメディアの活用法

  • 日程:8月31日(火) 14:00〜16:40
  • 参加費:無料
  • 場所:ベルサール九段
  • 登壇:NEC CRM本部 主任 市川貴洋氏
       ロフトワーク 代表 林千晶氏
       ロフトワーク ディレクター 井上果林氏

⇒詳細・申込みはロフトワークのWebページから。


著者:井上 果林(いのうえ・かりん)

井上氏

株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター。ディレクターとしてビジネスポータルサイトのコンテンツ運用から、モバイルのコンテンツ開発まで幅広い制作を手掛ける。NECのBtoBポータルサイト「Wisdom(ウィズダム)」では、会員限定コンテンツ「eセミナー」等を担当し、成約率の高いWebコンテンツの企画制作に実績がある。



※参考書籍:Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す(林 千晶、高橋 宏祐 /2008年/技術評論社)

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