導入・運用・リプレースの各段階でサービスを用意
── そろそろまとめに入りたいと思うのですが、まず大きな流れとしてアウトソースを効率化していこうという考え方がある。その流れの中で、CFIがあるということですね。
松原 「企業における、PC製品のライフサイクルを考えます。まず最初に標準機を選定する。次に調達・導入のプロセスがあります。その導入が終わると、管理とか監視のフェーズがある。パッチ管理であったり、資産管理といったものです。そして数年が経過して、新しいPCの購入を検討する際には既存のPCを破棄し、また新しいPCの導入が必要になる──。
デルは、このライフサイクルに沿った形で「お客様のニーズに合わせて取捨選択できる“モジュラー型のサービス”」を提供していく。これが基本的な姿勢です。そのとっかかりがCFIです。CFIで使用するマスターイメージはお客様が用意されるものですが、導入後、ダイナミックツールを使ってお客様の現場にあるPCに展開していくという方法もありますね。
同様に資産管理やパッチ管理などをアウトソーシングできるサービスも提供しています。お客様のニーズを聞くと、特にこのパッチ管理の部分だけ切り離してやってほしいというのが多いです」
── PCの調達時に、CFIを利用する割合はどのぐらいでしょうか。
松原 「具体的な数字は持ち合わせていないですが、感覚としては3割ぐらいのイメージですね」
堀内 「特に1年、2年と計画的にPCを調達されているお客さんでは30%を超える数になると思いますね」
松原 「CFIやMDSは、本当にかゆい所に手が届くサービスでしてイメージだけでなく、例えばシールのような細かなものにも対応できます。お客さんのナンバリングルールに沿った管理番号や社員名を付けたり、ロゴのシールを変えたりといったところから始まって、お客様のほうで独自に作ったマニュアルを同梱するなど、キッティングに関わるモノすべてを工場で詰め込めるんですね」
堀内 「日本の大企業を例にとると、本社はもちろん国内にあるんですが、海外にも支社をお持ちですよね。そういうグローバルで導入される企業での採用率もかなり高くなっています」
── 資産管理の話が出ましたが、1台単位のBTOであれば、シリアル番号ごとに構成から、同梱物、使っているユーザーの情報、さらには故障対応まで、すべてトレースできるわけですよね。
堀内 「CFIのサービスの中には、資産管理リスト提供サービスなんていうものもありまして、タグナンバーごとに、どんなユーザーかを一覧表ででお渡しするサービスなんかもありますね」
松原 「要求レベルに応じて、軽いものから、個人のプロファイルを特定できるような詳細なものまで選べるという柔軟性も特徴のひとつだと思いますね」
── CFIを含めたカスタマイズ全般で、最も強調していきたいポイントを改めてお聞きしたいのですが。
松原 「そうですね。まずはTCOの削減ということが第一になりますね。運用に関わる様々なコストの中でもとくに導入コストを作業負荷を含め、目に見える形で削減が可能です」
── 導入コストが下がって、管理者も楽ができる。使わない手はないという点を強調したいと言うことでしょうか。
垂見 「洋の東西問わず、いつの時代もコストを下げたいというニーズはあると思うんですね。これは引き続き言われていくでしょう。一方で、導入スピードはいまの状態でも十分満足いただけていると感じています」
堀内 「ハードウェアの導入という意味で言うと、できる限り安定したイメージを長期に渡って使い続けられるようにしたいと考えていますね。
企業にしてみれば、継続的かつ計画的に調達できるマシンを導入していきたいはずです。だから機密保持契約を結んでも、先の情報が欲しいというお話を多くいただきますね。そして、私や垂見のようなメーカーの人間がお客さまのところに出向いて、先々の計画までお話しする。
この部分はおそらくデルが得意とすることで、他社があまりやっていないところではないかと思いますね」