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ニーズのあるところ、カスタマイズの種あり

サポート・ソリューションのBTO化に取り組むデル

2010年07月20日 09時00分更新

文● 小林 久/TECH.ASCII.jp編集部

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左からデル(株)の垂見智真氏、堀内朗氏、松原裕典氏。教育/公共機関向けのビジネス、大企業向けビジネスの両面からカスタマイズの可能性について聞いた

アウトソースから、サービス・サポートのBTOへ

 BTOで自分のニーズに合ったPCを購入するというスタイルは、すでに珍しいものではなくなった。読者がPCを購入する際にもウェブ直販サイトなどを活用し、自分に合ったスペックのマシンを買うことを実践している人は多いだろう。

 しかしソフトウェア、サービスのBTOと聞いてピンとくる読者はどのぐらいいるだろうか?

 大量のマシンを一括で調達し、導入・管理しなければならない企業においては、工場出荷直後のプレインストール環境の統一や、セキュリティパッチの適用、使用OSのバージョン管理など、共通化した環境下での運用が、TCOに直接関わる重要な課題になっている。

 こうした導入・運用・リプレースというライフサイクルの中で、企業が必要とするサービスは多岐にわたる。そのBTO化にも取り組んでいるメーカーがデルだ。BTOを世界に先駆けて実践したデルは、いま何を考えているのだろうか?


Latitude 2110に見る、カスタマイズへの期待

── 今回は企業・教育市場でのカスタマイズをテーマに取材させていただいています。少し前になりますが、教育市場向けネットブックのカスタマイズに関しての話題があったため、そのあたりからお聞きしたいと思います。

垂見 「まず教育市場に特化した話をすると、筺体そのものをカスタマイズしたいというニーズが非常に高いという実感を持っています。大量導入なので、担当者の思い入れも強いのでしょう。

 例えば東大阪市の教育委員会の事例(編注:同市は2010年度の新学期に合わせてデルのネットブック『Latitude 2100』シリーズを大量導入した)で言うと、『トライくん』というラグビーをやっているかわいいキャラクターを入れたい、と。ラグビーが有名な町なので。市のマークもそうなっているんですね。これが奈良なら『せんとくん』になるかもしれない(笑)。

北アジア地域 公共マーケティング本部で、クライアントソリューションに関するマーケティングマネージャーを務める垂見氏。まずは教育分野での事例を伺った

 教育委員会や学校といったお客様は、特に、オリジナリティーあふれる製品で導入したいと考えるケースが多いと思います。簡単に言うと、自分たちのオンリーワンの製品として導入していきたいというニーズです。

導入事例の参照(PDF形式)

 そんな中出てきたのが“天板にロゴを入れる”といったアクションですね。もちろんデルが印刷の会社を持っているわけではないですが、SIをやられている会社──内田洋行さんなどに、製品の物理的な寸法や素材、耐熱性といった部分の情報を提示し、シルク印刷した状態でPCを納入した事例があります」

── カスタマイズにはソフト面とハード面の両方があると思いますが、まずはハードを最適化したいというニーズが高いのでしょうか。

垂見 「はい。こういったカスタマイズは、米国ではもっと進んでいて、小型のOptiPlexの外枠すべてを作った事例もあります。大学のユニバーシティーカラーに合わせた筺体を作ったり、某アイスクリームメーカーのコーポレートカラーに合わせたD430を納入したりといったものです。

Latitude 2110

 これには、(デザイン面での単純な満足度向上以外にも)盗難対策という意味合いがあります。中古市場に製品が流れた場合でも出所がハッキリと分かりますから。

 もちろん大規模なカスタマイズは不要で、手間もかけたくないという場合もあるかと思います。そのためにデルのPCには以前から、9mmテプラがスッと入れられるスペースも用意しています。バッテリーに名前やロゴを入れられるようなサービスもあります」

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