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第21回 国際文具・紙製品展レポート

展示会で見つけた、デジタルな文具・筆記具のいま

2010年07月08日 09時00分更新

文● 行正和義

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  • 本文印刷

それでも進化が続く、紙とペン

 (電子文具ではなく)ペンと紙の文具のほうでは、特別派手な製品はなかったが、詳しく見ると、細かな最新技術がいろいろと投入されてきている。ゼブラがこの4月に発売したエマルジョンインク採用ボールペン「スラリ」は水性ジェルの滴と顔料が油性の中に浮かび、にじまず書ける油性インクの良さと水性の軽い書き味を実現。従来のゲルインク(水性インク)を超える書き味はかなり心地良い。また、トンボの「エアプレス」など、高い評価を製品にラインナップ拡充が見られるのも面白い。

エマルジョンインクを採用する「スラリ」。スラリーは懸濁液のことだが、もちろんこのインクも水と油が分離することなくインク内に顔料がうまく混合されている

トンボ鉛筆の「エアプレス」はノック時に加圧することで角度を問わずインクが出る。書き味も軽い。“現場”で定評のあるボールペンだが、半透明デザインや、パステルカラーの「apro」(エプロ)も登場。ノック部までサイドクリップが伸びて、ポケット内で芯先が出ない。ナースなど“エプロン系仕事”にもマッチ?

今年2月に3Mグループに入ったエーワンはPostIt!ブランドのプリンタブルラベル用紙を大量展示。印刷・複写でき、はがれにくい強粘着タイプラベル。オフィスが一気にカラフルになりそうだ

持ち歩くメモ用紙として面白い、デザインフィルのミドリ「カードメモ」。メモ帳や“ロディア”サイズよりも一回り小さなクレジットカードサイズ。厚みも1.6mmとクレジットカード2枚分、用紙も非常に薄く、カード入れや財布に挟み込める。普段から持ち歩き、手帳やノートがない時の非常用としてもよさそうだ

その場で何枚も複写できるというのが目新しいスガワラ印刷の「コピめも」。各ページが複写用紙でできており、メモ帳の下から厚紙をくるっと回しての下敷きしてメモを取れば、下敷きまでの枚数分メモが一度に書けるしくみ。複数人へ渡すことを前提としたメモや控えが取れる

欧文印刷の「消せる紙」(けせるし)。ビニール素材でできた巻き取れるホワイトボードなどは従来にもあったが、こちらは表面コートで同じ機能を実現。ホワイトボード用マーカーなどで書いて消せる。マグネットなどで四隅を留めればどこでもミーティングスペースに

昔ながらの地味なオフィスカラーではなくて最近はさまざまなポップな色使いが多くなってきているが、ニチバンの「ふせんサプリ」は各5色6種類のラインナップを用意。脳力アップはともかく仕事や勉強のジャンル別に使い分けることができる

3月に発売されたマルマンの「ワイドルーズリーフ」。各ページが2つ折りになっていて幅広に使えるというもの。ページの閲覧性の高さは図表を含むノート取りに便利

ややレトロなレターセットは和紙便箋で歴史ある日本橋はいばらの「蛇腹便箋」。単に昔の巻き紙感覚というだけではなく、好きなだけの長さの文章を書いて切り離して封筒に入れられる利点がある。ページ単位でものを考えがちな現在のメモやノートから見ると逆に新しい

DESIGN TOKYOにて発見したドイツgetframed.deの「getframed(ゲットフレーム)フォトフレーム」。封筒を開いて切り離して(ハサミ不要)、組み立てる(ノリ付け不要)ペーパークラフトの写真立て。文具同様にインテリアや雑貨などでも紙の活用範囲、楽しさを再認識できそうだ

ISOTではなく同時開催の「ベビー&キッズEXPPO」に出展していたm-cro(スイスMicro Mobility System)の「micro Luggage」。同社は子供向けキックボードの類が主な商品だが、これはハンドルと車輪の付いた大人向けのビジネスキャスターバッグ。背面のラッチを外せば踏面ともう一つの車輪が出てきてそのまま街中を疾走できるというもの。キャスターバッグもビジネスや旅行にすっかり定着したが、街中の移動や飛行機乗り遅れそうな空港で活用できるかもしれない

オーグの扱う「Plustekブックリーダー」は一方の側面が裁ち落とされたような形状のフラットベッドスキャナ。本や雑誌をスキャンするときのページの境目まできれいにスキャンできるため、本の電子化で定評がある製品。iPadの影響もあって個人で本をpdf化する人口が増えると思いきや、今回の見本市では電子書籍関連はほとんど見られなかったがやや残念

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