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T教授の「戦略的衝動買い」 第101回

驚きの総額680円!! iPadの軽量モバイルを「チープ」に追求

2010年06月03日 12時00分更新

文● T教授

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いろいろ試したが、チープな組み合わせが一番便利

 さて、片手ホールドは、大凡、吸盤の効果が見えてきたので、次は肝心の快適キー入力の実現を考えてみたい。

 iPad への文字入力は、液晶タッチパネルを活用した「ソフトウエアキーボード」以外に、iPadと同時に発表された「iPad Keyboard Dock」、以前から存在する「Wireless Keyboard」の3種類のキーボードを利用することができる。

 筆者は、当初、うかつにも購入した「iPad Keyboard Dock」をモバイル環境でも使用する予定だった。しかし、配達されてきた商品を持って、そのあまりの重さに驚いてしまった。 正確なキッチン秤で実測したところ602gもあった。

 重さがあるのは、それなりの重さのiPadを乗っけても転倒しないようにバランスをとっているからだが、両方を持って歩くとなると、トータル重量で、なんと1.3kg近くになってしまう。これでは680gのiPadを購入した意味がない。

iPad Keyboard Dock は見た目はなかなかだ。書見台のような感じで、安定して文字入力が可能だった

しかし余りの重さに、今は友人宅にて、自宅用常駐キーボード&Dockという本来の使命をまっとうしている

 そこで、今度は、iPadをタイトでピッタリした専用ケースに入れて、「Wireless Keyboard」を持ち歩くことを考えた。しかし、これも両者で重さは1.2kg近いモノとなり、実測750g前後という筆者のVAIO Xの代わりにはならない。

 妥協点は、モバイル環境では「ソフトウエアキーボード」での入力に徹底し、キー入力のために適度な傾きを提供してくれる専用ケースだけを使うというもの。このスタイルなら実測で855gと、相変わらずVAIO Xより重いが、許容できる範囲だ。

iPad純正ケースは、この手のモノとしてはよく考えられた構造で価格も妥当だ

Wireless Keyboardと組み合わせると、分離型ゆえに自由なキー入力スタイルが実現できて、ある面、理想的な環境といえる

しかし、この組み合わせも、総重量は軽量のモバイルPCを大きく超えてしまう。ひとつには日本製のモバイルPCが海外の製品に比べて軽すぎる……というのもあるだろう

結局、持ち運びの総重量が懸案なら、外部キーボードは諦めて、iPad純正ケースのみの文字入力スタイルが妥当だろう。あとは855gという総重量とデザインをどう考えるかだ

 しかし、真にモバイル環境における軽量化を狙うなら、ここで落下防止用の吸盤に再登場を願いたい。キーボードの傾きは好みが分かれるところ。専用ケースの場合は約20度だが、室内照明の反射による液晶表面のテカリがなく、キートップが見えればいいという程度なら、先ほどの「百均の吸盤」でも「iStand」でも合格ラインだ。

 ただし「iStand」は格好はいいのだが、吸盤部分と球体部分をつなぐ「脚」が長く、キーボードスタンドとして使うと、キー入力時にしなってしまうのがかなり気になる。

人目に触れるモバイル環境なので、少しでもデザインにもこだわりたい。iStandをキーボードスタンドに使ってみた

さすが、同じ吸盤だが、デザイン的には綺麗だ。しかし、キー入力時にiStandの長い首が曲がってたわむ。これはキー入力の反動としては絶対に避けなければならない問題だ

iStandを左右に各1個、合計2個使ってみたが、状況は変わらない。iPad本体全体のたわみはキートップのストロークとは意味が違うので、残念だがiStandをキーボードのスタンドとして使うのは諦めざるを得ない。堅い素材の「iStand(改)」に期待したい

 結局のところ、筆者の「総携帯重量」「キー入力のしやすさ」「コスト」という三大要素全てを満足できたのは、裸のiPadに百均の吸盤、百均の吸盤用補助板、プチプチケースの「バブルラッパー」という組み合わせだった。

結局、皮肉にも、一番タクタイル感がよかったのは、ダイソーの吸盤と吸盤用補助板の総計200円の組み合わせだった

安いついでに、軽いついでに、「バブルラッパー」を移動用ケースに使ってみた

バブルラッパーの表面に好みのタグラインを描いて、総重量708gの快適モバイルiPadの完成だ

 これら全部でも、たったの708gだ。 結論として、セレブ&デザイン指向の伝統的なアップルユーザーが最も避けたい結果になったような気がするが、読者諸兄はいかがだろうか?

 ウルトラセレブなモノとの組み合わせなら、超チープなiPadモバイルキットは光るだろう。


今回の衝動買い


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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