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ぷらっとホームからスケールアウト型ストレージ

独自の同期型採用!分散ストレージ「CloudStation dSS」

2010年05月27日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 5月27日、ぷらっとホームは容量と性能を同時に拡張できるスケールアウト型ストレージ「CloudStation dSS」の販売を開始した。3Uラックマウント筐体に最大28TB(RAID6時)の容量を搭載可能なノードをクラスタ化することで、最大1PB(36ノード)まで容量を拡張できる。また、複数のノードに分散して読み書きするため、ハードディスクやノード自体の故障についても耐障害性を持つ。各ノード間の接続は1GbpsのEthernetを用い、10GbEのスイッチとインターフェイスをオプションで提供するという。

3Uラックマウントで、最大16台までのHDDを搭載できるCloudStation dSSのノード

 ファイル管理は、ファイル名とパス名ではなく、任意の文字列をキーとして利用する「キーバリュー方式」を採用。C言語のAPI、FTPライクなコマンド、そしてクライアントから巨大なHDDとして利用できるfuseクライアントによる3つのアクセス方法が選択できる。

 最大の特徴は、dSS(distributed Storage System)と呼ばれる同期型の分散ストレージエンジンを採用する点。分散ストレージではファイル本体とファイル自体のメタデータ(ファイルサイズや更新日時、所有者など)を別々に保存しているが、メタデータを集中管理すると耐障害性は低くなり、メタデータを分散させるとパフォーマンスに限界が出てくる。これに対してCloudStation dSSでは、各ノードごとに同一のメタデータを保持し、ファイルの保存時に各ノードで同期するというアーキテクチャを採用する。これにより、単一障害点がない、ファイルリストが速い、書き込みから読み込みまでの時間が短いというメリットが得られるという。

 読み出し速度はノード数に比例して高速化するが、ファイル保存のたびに同期が行なわれるため、書き込み速度は頭打ちになる。そのため更新が頻繁なデータベース等の処理には向かない。一方で、読み出しの多い動画配信や大容量データを扱うバックアップなどの用途に向いているという。

 クラスタの管理は、Webブラウザ上の管理ツールで行なえる。価格は56TBの2ノード構成で458万円で、1年間のセンドバック修理保証が付く。追加ノードは198万円。

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