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T教授の「戦略的衝動買い」 第97回

信じられないデザイン 迷彩グリーン&四角な腕時計を買う

2010年04月29日 12時00分更新

文● T教授

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視認性悪し! しかしデザイナーの心意気にホれた

 そして、もうひとつの重大なテーマである「エレガンス」も誰にでも分かるように余りにも大袈裟に誇張して表現している。「これでもか! これでもか!」と言うほど分厚いカットクリスタルガラスを使用した風防だ。少しシニアな腕時計ファンなら、「カットクリスタルガラスの風防」と聞けば、一世を風靡した往年のRADOの腕時計を思い出す人も多いだろう。

例えは悪いが、黒い金属パレット底に苔が生えたようにも見える考えられない組み合わせだ

こだわりのカットクリスタルガラスの厚みに注目。重量的には不利だが、思いを届けたいと考えたデザイナーには共感する

 本来なら、ホワイトやブラック、シルバーやゴールドの文字盤と組み合わせることで、分かりやすい高級感やエレガントさを演出する要素だ。しかし、INDEPENDENT × yoshio kuboは、そこを普通では考えられない「迷彩グリーンの文字盤」と「厚いカットクリスタルガラスの風防」という異例のタッグで、エレガントさを欺いている。

 その上で、よりミリタリー感を加速するために、腕時計の命である「視認性」を落としてまで、あえて文字盤と同じ色の針や時刻マーカーを使っている点も見逃せない。

屈折して折れ曲がって見える文字盤のマーカーがシュールで印象的だ

クロノグラフ針や長短2針、秒針もミリタリー系の見えにくさにこだわったカラーだ

たまたま、今回は最高の撮影角度なので、綺麗に撮影できているが、普段はほとんど見えない24時間系の目盛り文字。もちろん「カン」だけで理解するのだ

映画「アバター」の影響で、今年は、こういうグリーン系やブルー系が流行するかも……

 INDEPENDENT × yoshio kuboは、多くのデザインコンシャスな腕時計が大量に登場する現代においても、デザイン的に「アンビリーバボー」な腕時計で、決して後悔しない衝動買いアイテムだ。売り切れ注意!

唯一問題なのは、時刻調整をするためのゴリゴリした竜頭だ。手首を上に曲げたりすると、手の甲にこのゴリゴリが当たって赤くなることがある。ミリタリーだから我慢なのかも……


今回の衝動買い

アイテム:シチズンINDEPENDENT × yoshio kubo コラボレーション腕時計(ITT21-5195)
実売価格:2万1300円(ヨドバシカメラマルチメディア上野にて購入)


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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