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T教授の「戦略的衝動買い」 第88回

イタリア生まれのこだわりステープラー「Zenith 548」

2010年02月25日 16時00分更新

文● T教授

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重さ、はり幅、針方向 「普通じゃない」のがいい

 そんなZenith 548 GOLDは、あらゆる点で日本のホッチキスと異なる。

 まず重量だ。総スチール製という本体は実測248gで、ほとんどが150g以下という日本製の一般的なホッチキスとは比べものにならないくらいに重い。昨今、小型のホッチキスを持ち歩いているビジネスマンもたまに見かけるが、Zenith 548 GOLDはそんな気持ちを容易に起こさせないヘビメタなリアリティーが潔くて素晴らしい。

 日本のホッチキスよりはるかに小さな「はり」(「たま」と呼ぶ人もいるが)を使っているのも特徴だ。国産のホッチキスでは幅9mmが一般的だが、Zenith 548 GOLDはそれより2mmほど狭い7mmのものを使う。

日本の一般的なホッチキスのはりとZenith 548 GOLDのはりを比較

 国産ホッチキスの多くは、本体上面を大きく開いてはりを入れ替えるのに対して、Zenith 548 GOLDは、古代の大砲のように背後から手動ロックを外し、スプリング付きの長い金属ロッドを引き抜いて、トンネルの様な長いはり道にはりを押し込む。

金属製の長いロッドは、はりが逆流して出てこないようにロックされている

このロックを外して長いスプリング付きの金属ロッドを抜き取ると、はりを追加できる

 幅の狭いはりは、とじるものの表面で場所をあまりとらないため、例えば、小さな写真やカラーサンプル、生地サンプルなどを台紙に留めるには最適だ。

 さらに、はりの折り方まで選べる。一般的な「内曲げ」だけではなく、はり受けの台座位置を前後に少しずらすことで「外曲げ」に素早く対応することが可能だ。これで小さな紙片や生地などを台紙に留める際、簡単に台紙からちぎれないようにできる。

実際にはりをとめたあとのサイズの違い。たった2mm程度だが、その見え方はかなり違う

はりの受け台座を前後にずらすことで、内曲げ、外曲げを選べる。簡単で便利だ

Zenith 548 GOLDで内曲げ(上)と外曲げ(下)をやってみた。外曲げの方が1mm弱だが留め幅が広くなる

内曲げ(左)と外曲げ(右)。いずれもたった2枚の薄紙では効果は見えにくい

不発で折れ曲がったはりが先端部分に溜まった場合、まず本体上面のゴールカバーを後ろに引っ張り、続いて先端のカバーを上に引き上げることで、先端から内部に簡単にアクセスできる。詰まったはりを取り除いたら、逆の手順で元に戻せばいい

 重さだけではなく、操作もヘビーなため、エレガントで指先のしなやかな大和撫子には向かないかもしれない。

 とはいえ、大雑把な中に垣間見える、道具としての完成度の高さ、確実性、グリップ感覚などに惹かれるという男性は多いはず。握力を鍛えるのにもピッタリで、ゴルファーやギタリストの日常訓練に使えるかもしれない。


今回の衝動買い

アイテム:イタリア・バルマ「Zenith 548 GOLD」
価格:9450円(分度器ドットコムにて購入)


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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