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GeForceも積める構成自在なCULVノート Inspiron 13z (2/2)

2010年02月08日 11時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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写真は日本語キーボードだが、英語キーボードも選択できる。Enterキーの右横に[PgUp]キーなどが配置されるタイプで、好みが分かれそうだ

 13型級のCULVノートは、キーやタッチパッド部の幅が広く、実用的な製品が多い。Inspiron 13zもその例にもれず、キーピッチ19mmの幅の広いキーボードを備えている。キー配置はEnterキーの右側縦1列に[PgUp]キーなどが並ぶタイプで、人によっては違和感を感じるかもしれない。

 珍しいのは、キーボード最上段のファンクションキーが、通常はボリューム変更や無線LANのオン/オフ、バックライト輝度変更といった機能キーに割り当てられている点だ。一般的なファンクションキーとして使うには、キーボード最下段の[Fn]キーを押しながら操作する。これは「ThinkPad Edge」でも採用されたキー設定で、米国では流行なのだろうか? この設定はBIOS側で切り替えられるので、通常はファンクションキーとして使い、Fnキーで機能キーに切り替える使い方も可能だ。


自由度の高い構成 CULVでは珍しい独立GPUも

 Inspiron 13zの魅力のひとつは、CULVノートとしてはパーツ構成の自由度が高いことだ。コストを押さえるため決めうちの既製品が多いCULVノートでは珍しい特徴と言える。

 まずCPUには、Core 2 Duo SU9400(1.40GHz)か、Core 2 Solo SU3500(1.40GHz)のいずれかを選べる。CPUの違いによる価格差は2万1000円(2月5日時点。最新の価格はこちらで確認のこと)。Windows 7やアプリケーションの快適さを考えるとCore 2 Duoを選びたいところだが、2万円強の差となると、予算の制約が厳しい場合はCore 2 Soloで妥協するのも手だろう。

Core 2 SoloモデルのWindowsエクスペリエンスインデックスの値

Core 2 SoloモデルのWindowsエクスペリエンスインデックスの値。さすがに「プロセッサ」の項目は低いが、Atomのネットブックのような待たされ感は感じない

 CULVノートと言えば、「グラフィックス機能はIntel GS45 Expressチップセット内蔵」が定番となっているが、Inspiron 13zはそれに加えて、NVIDIAのGeForce G105M(ビデオメモリー512MB)を内蔵可能となっている。GeForce G105Mを選択した場合の価格差は約1万円となる。

 GeForce G105MはNVIDIA GPUの中では低めの性能(前世代のGeForce 9300Mよりやや速い)であるが、3DグラフィックスやHDビデオ再生にはまったく非力なIntel GS45と比べれば、はるかに高性能である。さすがに「最新の3Dゲームもさくさく動く」とはいかないが、ちょっとしたゲームのプレイやNVIDIA CUDA対応の動画編集・再生ソフトの高速化、遠からず登場する「Adobe Flash Player 10.1」での動画再生支援など、さまざまな使用シーンで威力を発揮するだろう。

 そのほかにも、メモリー搭載量(2GBから最大6GB)やHDD容量(160GBから最大500GB)、無線LAN機能やBluetoothの有無などを選択できる。ストレージにSSDがないのは少し残念だが、リーズナブルな製品という方向性を考えれば妥当なところか。なおOSは、Windows 7 Home Premium 64bit版のみとなっている。


ヘビーにモバイルするなら8セルバッテリーが欲しいが
重さとの兼ね合いが難しいところ

 Inspiron 13zには、4セルタイプと8セルタイプの2種類のバッテリーが用意されている。写真の評価機では4セルタイプを装着している。デル独自のバッテリーメーターツールがプレインストールされており、バッテリー残量だけでなく、充電時間や耐用期間(劣化状況を知らせる)といった情報が表示されるなど、OS標準機能よりも充実したバッテリー情報を把握できる。

デル独自のバッテリー情報ツール

デル独自のバッテリー情報ツール。最近のモバイルノートでは、この種の機能を搭載する製品が増えている

 また、「デル拡張バッテリー駆動期間」という独自の機能も備える。これはバッテリー駆動状態になると自動で電源プランを「省電力」に切り替えたり、Windows Aeroを「ベーシック」に切り替えるなどにより、ユーザーが意識しなくてもバッテリー駆動時間を延ばせる状態にするというツールだ。ベテランユーザーなら自分で設定できる程度のことではあるが、モバイルノート慣れしていないユーザーにとってはありがたい。

 4セルタイプのバッテリー駆動時間はカタログ値で最大約5時間、8セルタイプでは約11時間となっている。4セルバッテリー装着時の重さが約1.79kgなのに対して、8セルバッテリー装着時は約1.998kgとのこと。ほぼ2kg近くになる。11時間のバッテリー駆動時間を取るか、少しでも軽くするか、モバイル用途を重視する人には悩ましいところである。

 今回はCore 2 Solo SU3500/Intel GS45/4セルバッテリーの評価機を使用して、バッテリー駆動時間を計測してみた。計測にはバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使用。キー入力と無線LANでのインターネット接続をしながら駆動時間を計測している。前述の「デル拡張バッテリー駆動期間」が有効であるので、Windows 7の電源プランは「省電力」を使用した。液晶ディスプレーの輝度は40%である。

 実際の駆動時間は約4時間7分で、カタログ値の82%といったところ。4セルタイプとしては優秀と言ってもいいだろう。


 低価格ながら実用性の高い構成から、CULVとしてはハイスペックな構成まで、ユーザーニーズに合わせて自由度の高い構成が可能なInspiron 13zは、自分のマシンにこだわりを持つベテランユーザーでも満足できるCULVノートである。

 最小構成となる「ベーシックパッケージ」は8万4980円から。ちなみに最高のパーツ構成を選んだ場合は、18万8930円となる(2月5日時点。最新の価格はこちらで確認のこと)が、これは6GBメモリーが高いため。4GBメモリーに変えるだけで14万4830円となる。CULVベースにGPUと光学ドライブを内蔵するノートとしては、なかなかお買い得な製品と言えるだろう。

       
Inspiron 13zの主な仕様
CPU Core 2 Duo SU9400(1.40GHz)/Core 2 Solo SU3500(1.40GHz)
メモリー 2GB/4GB/6GB
グラフィックス GeForce G105M/Intel GS45チップセット内蔵
ディスプレー 13.3型ワイド 1366×768ドット
ストレージ HDD 160GB/250GB/320GB/500GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線通信機能 IEEE 802.11b/g、またはインテル製IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1など
カードスロットExpressCard/34スロット、7-in-1カードリーダ(SD/SDHCメモリーカード、メモリースティック/PRO、MMC、xD-ピクチャーカードなどに対応)
インターフェースUSB×3(左側面1、右側面2)、HDMI出力、アナログRGB出力、10/100BASE-TX LANなど
サイズ 幅329.8×奥行き223×高さ17.2~26.4mm
質量 約1.79kg
バッテリー駆動時間 最大約5時間(4セルバッテリー時)
OS Windows 7 Home Premium 64bit版
価格 8万4980円から(2月5日時点)
最新の価格は製品情報を参照のこと

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