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中国生まれの「サンシャイン牧場」が日本で成功した理由

2009年11月21日 12時00分更新

文● 高橋暁子

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mixiアプリ「サンシャイン牧場」。わずか3ヵ月で300万人のユーザーを獲得したソーシャルゲーム

 mixiアプリの「サンシャイン牧場」(サン牧)が今なおアツい。サン牧は、水や餌などを与えて農作物や家畜などを育てる農場系ソーシャルゲームのひとつ。マイミク同士で作物に虫を入れるなどのいたずらをすることにより、お互いの生産量をアップできるなどのソーシャルコミュニケーション要素がゲームの特徴だ。

 ユーザー数は開始後わずか3ヵ月で300万人を超え、mixiが主催する「ソーシャルアプリケーションアワード」ではグランプリを受賞した。運営会社は中国のRekoo Mediaだが、今月10日、日本法人Rekoo Japan株式会社の設立が発表された。

 そこで今回は同社代表取締役の小野裕史氏に、サンシャイン牧場成功の秘訣や日本法人設立の理由、そしてソーシャルゲームの未来にかける思いを聞いた。


みんながハッピー ノンゲーマーが楽しめるゲームがウケている

Rekoo Media日本法人、Rekoo Japan代表取締役の小野裕史氏。シー・エー・モバイルの創業メンバーでもある

 サン牧はmixiアプリの中では後発組。だが、ソーシャルな要素をうまく入れたことなどで人気を博し、現在ランキングトップとなっている。300万人のユーザーのうち240万人以上が先行して始めていたPCからのユーザーだが、今月6日にはケータイ版も開始した。

 「mixiはそもそもケータイユーザーがPCユーザーの数倍に上っていたため、今後ケータイユーザーの伸びが期待できると思います」と小野氏は話す。

 元々の運営会社、中国のRekoo Mediaは約60名のスタッフからなっている。メンバーに営業はおらず、開発スタッフばかり。同法人CEOのリュー・パトリック氏について、小野氏は「まだSNSの黎明期にSNSを作成し、成功させている人。その上でRekoo Mediaを設立したため、ソーシャルに関する造詣は深い」という。

 サン牧は、本社のある中国の他、日本のmixi、米国のFacebook、ロシアのSNSなどでも利用されている。中国で1位、日本でも1位、Facebookでトップ10内、ロシアのSNSでもトップ5と、国を問わず人気は高い。「Facebookでは同じ農場系アプリのFarmVille が伸びていますが、サン牧はそれより早くアプリを出しています。世界の農場系ソーシャルゲームの元祖と言っていいのではないでしょうか」(小野氏)

 サン牧成功の理由は「(市場に)先行したことと、取り上げたテーマ自体が『水をあげて農作物を育て、収穫する』という、誰もが直感的に分かる簡単なものだったこと」と小野氏は分析する。コアなゲーマーでなくても楽しめるため、ゲームをやったことのない層に受け入れられたのがポイントだという。「実際、Rekoo Media CTOの祖母がサンシャイン牧場のコアユーザーなんです。幅広い年齢層にウケている証拠でしょうね」

 もう一つのポイントは「誰もがハッピーになるゲーム」ということ。「虫入れ」はただのいたずらではなく、結果的に相手の増産につながる行為。ウォーゲームのような競い合いのゲームとは一線を画している。「一般的なゲームには競い合いをするものが多いが、多くの人に長く愛されたいと考え、みんながハッピーになれるこの形態にしています」

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