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中国生まれの「サンシャイン牧場」が日本で成功した理由

2009年11月21日 12時00分更新

文● 高橋暁子

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モバイル版での「課金」拡大に期待

 サン牧はユーザーの声をすぐ取り入れるのも特徴だ。「虫の量は100匹だと足りない」という声があったら上限を150匹に引き上げるなど、ユーザーの声から取り入れた機能は多い。コアで遊んでいるユーザーに「よりスペシャルな機能がほしい」と言われ、特別なアイテムが手に入る課金サービスも始めた。ただし「今後も基本は無料」という。

 「人よりかっこよくしたい、畑などを早く発展させたい場合は有料だが、基本は無料でどこまでも使えるゲームでないとダメ。そうしないとユーザーはすぐに飽きてしまうと思うんです」(小野氏)

モバイル版は基本無料。一般にモバイルで課金サービスを使用するユーザーは全体の約10パーセントという。その増加に収益を見込む。「フリー」と「プレミアム」の割合をうまく配分していく「フリーミアム」の発想だ

 一般に、モバイルユーザーのうち課金サービスを利用しているのは全体の約10パーセントだという。「今後、モバイル版ではもっと多くのユーザーが課金するのを期待している」と話した。

 なお課金トラブルや個人情報流出トラブルがあったことに関しては「mixiユーザーやメディアの皆様にご心配をかけて申し訳ありませんでした。セキュリティを強化したので、今後は安心して楽しんでもらいたい。また、課金方法はmixiの課金利用も考えています」という。

 ソーシャルゲームと、これまで一般に「ゲーム」と呼ばれてきたパッケージのゲームの違いについて小野氏に聞いてみると、「ソーシャルゲームはコミュニケーションの一形態であり、言葉が要らないコミュニケーション」という答えが返ってきた。そして「ソーシャルは出してからが勝負」なのだという。それはどういうことなのか。

 ゲームは作るまでが100%だが、ソーシャルは作るまではごく一部で、残りの運用が鍵を握る。運用してユーザーに楽しんでもらうまでが開発なのだ。

 パッケージの場合はすでに完成しているので、クリアしたりコンプリートしたりしてしまうと、やることがなくなってしまう。一方のソーシャルゲームは、定期的にイベントを仕掛けたり、新しい機能やアイテムを追加するなど、運営次第でいくらでも盛り上げられるのが面白い。

 ただし、「ソーシャル性のバランスは非常に難しいんです。ただマイミク同士がからめばいいわけではない。ユーザー同士が競い合えるランキング制があるだけでソーシャルと勘違いしてはいけないと思っています」(小野氏)

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