複数のメールアドレスが持てるYahoo!メール
国内では1999年にサービスが開始された、老舗のウェブメールがYahoo!Japanが提供する「Yahoo!メール」だ。2006年6月には、それまでの100MBから一気に1GBまでメールボックス容量が拡大し、使い勝手を大幅に向上させている。
特徴的な機能としては、「セーフティアドレス」が挙げられる。これは本来のメールアドレスとは別にエイリアスを作成できるという機能で、会員登録時などに本来のアドレスを伝えたくない場面などで利用できる。またPOP3/SMTPを利用したメールの送受信も可能(Yahoo!デリバーへの登録が必要)で、通常のメールソフトを利用してYahoo!メールを利用できる。
モバイル環境への対応として、「モバイル版Yahoo!メール」というページが用意されているが、残念ながらWindows Mobileなどのスマートフォンは対象外となっている。ただWILLCOM 03のInternet ExplorerやOpera Browserを使ってPC向けサイトにアクセスすることは可能。ただページ自体がかなり重いため、モバイル環境では軽快に閲覧できるとは言い難い。WILLCOM 03で使うのであれば、POP3/SMTPでの利用が無難だ。
標準の「メール」なら、Gmailと同様に自動的にサーバ接続のための設定が行われる。このため、メールアドレスと接続時のパスワードを入力すれば設定は完了する。なおYahoo!メールでは、POP3でのアクセス時のスパムメールの扱いを設定できる。スパムメールを受け取る、あるいは受け取らないを指定できるほか、受け取る場合にスパムと判定されたメールの件名に「SPAM」の文字を追記する、といった設定が可能だ。必要なメールがスパムと判定されていないか不安という場合には、SPAMの文字を付けた上で受信し、振り分け設定などを使ってWILLCOM 03側で対処すればよいだろう。
なおYahoo!メールは4カ月間アクセスがないと、すべてのメールが消去されてしまう(アカウントは削除されない)。普通に使っていれば問題ないが、しばらく放っておいて気がついたらメールがすべて消えていた、などということにならないように注意したい。
メールボックス容量が増えるHotmail
「Hotmail」はマイクロソフトが提供するウェブメールサービスだ。このサービスでユニークなのはメールボックスの容量制限が無制限という点。急激に増加するといったことがない限り、受信トレイ容量が自動的に増加するというもので、容量制限を気にせずに使える安心感は大きい。
アクセス方法は、ウェブブラウザとPOP3/SMTP経由が用意されている。まずウェブブラウザでのアクセスだが、WILLCOM 03内のウェブブラウザでアクセスすると、PCでのアクセス時とは異なるモバイル用の画面が表示される。ページ内の要素が必要最小限に絞られているため、送信、そして受信ともにWILLCOM 03でも快適に利用できる。
また標準の「メール」でHotmailのアカウントを追加すると、単にメールサーバの設定が自動的に行われるだけでなく、Today画面への新着メールの表示や、連絡先やメールの同期を行うかどうかの選択が求められる。自動で同期を行うように設定しておけば、Today画面で新着メールをチェックできるのは非常に便利だ。
なおHotmailに271日以上サインインしなかった場合、メッセージやフォルダ、アドレス帳などすべてのデータが消去されてしまう。また、そこからさらに90日が経過するとアカウント名自体が削除されるので注意してほしい。
バランスがよいGmail、独自の魅力があるYahoo!メールとHotMail
今回複数のウェブメールサービスを利用してみたが、もっともバランスがよいと感じたのはGmail。POP3やIMAP4でのアクセスも可能だが、メールの閲覧が中心でたまに返信するといった使い方であれば、ウェブブラウザでアクセスしても不満はない。
Yahoo!メールの魅力は、メールアドレスのエイリアスを作成できる点。外部に公開するメールアドレスとしてエイリアスを利用すれば、スパムが増えても簡単にそのアドレスを削除できる。ただWILLCOM 03からウェブブラウザでアクセスすると、PC用の画面と同じ構成になってしまうのが残念だ。
HotMailはサービス提供元がマイクロソフトということで、Today画面に新着メールを表示できるなど、Windows Mobile環境と連係した機能が用意されているのが魅力だろう。またメールボックス容量の制限が事実上撤廃されているのも心強い。ウェブブラウザでのアクセスも軽快で、非常に魅力的なサービスだ。