iPod nano+標準イヤホンでは効果アリ!
E5は、見た目が第2世代のiPod shuffleそっくりな、DAPとヘッドホンの間に接続する重さ30gのクリップ型のヘッドホンアンプだ。電源には内蔵のリチウムイオン充電池を使う。
さて、E5を接続すると、実際の音はどう変化するのかやってみた。テストした筆者のDAPは、収集に少し偏りがあるが、常に愛用しているデザインコンシャスなバング&オルフセンの「BeoSound2」、ちょっと古いケンウッドの「HD10GB7」、そして最新の「iPod nano」(8GB)という3台だ。ヘッドホンは愛用のシュアの「E500PTH」とiPod付属標準品の2種類を使った。
今回はE5のボリュームをほぼ最大に固定して、iPod(DAP)側のボリュームをいじることで、E5のあるなしに関わらずボリュームが平等になるように調整して比べてみた。実際に音楽を聴くときも、このバランスが最も効果的だった。
3つのDAPのうち、大きく音質の変化が分かるのはiPod nanoと付属のヘッドホンの組み合わせだった。iPod nano+安価な純正ヘッドホンにE5を加えることで、どちらかと言えば薄っぺらい感じのするiPodの音の量感が増して、エッジもクッキリとしてくる。
BeoSound2+E500PTHとHD10GB7+E500PTHの組み合わせは、E5を組み合わせる前に、かなり満足できるレベルに達しており、どちらかといえば逆効果だった。特に低域ブースト機能はこの2者には蛇足だと感じられる。
ただし、「音の量感が増して、同時にエッジもクッキリと……」というのは、人によっては、「ドンシャリ」(高域と低域が同時にブーストする)なサウンドに感じてしまう。E5はあくまで聴く音楽や好きな音質で選択すべきかも知れない。
E5と一緒に筆者は、サウンド向上効果は度外視して、オヤイデ電気製のたった15cmのハイエンドオーディオケーブルも衝動買いしてしまった。iPod nanoとE5がこのケーブルでつながれた怪しげな勇姿を想像していたら、思わず欲しくなってしまったのだ。
しかし、結局、最も怪しさが似合ったのはiPod nanoではなく、音質向上効果の極めて薄かったHD10GB7とE5の組み合わせだった。衝動買いは思い通りに行かないことが多い……。
今回の衝動買い
アイテム:FiiO ヘッドホンアンプ「E5」、オヤイデ電気 ハイエンド・オーディオ・ケーブル(15cm)
直販価格:3780円(E5)、2940円(ケーブル)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
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