このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

小規模MVNOの世界

Androidで、ケータイをなぞってもしょうがない

2009年09月16日 09時00分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 グーグルが中心になって開発した携帯電話用OS「Android」が注目を集めている。

Androidのロゴ

 国内でも今夏から、NTTドコモの「HT-03A」の販売が開始されたばかり。今後の盛り上がりが期待されている。

 Androidは誰もが無償で利用できるオープンなプラットフォームである。ソースコードが公開され、改変も可能。インテントに象徴されるように、アプリケーションや各種ウェブサービスが高度に連携する、これからの携帯電話用アプリケーション開発に必要な、柔軟性と自由度の高さを持ったOSだ。


ケータイと同じことをやっても意味がない

 そんなAndroidの可能性として「小規模なMVNO」を挙げるのが、IDY代表取締役社長の本田和明氏だ。

IDY代表取締役社長の本田和明氏

本田 「Androidの話をすると、必ずと言っていいほど、いままでの“ケータイ”でもできたことを、なぜ改めてやる必要があるんだという話になります。でも、音声通話にとらわれてはいけない。新しい形態のサービスが出てくることを期待しています」

 Android端末は電話機ではないと考えれば、新しい可能性が見えてくる。

本田 「例えば、フォトフレームやデジタルサイネージなどのプラットフォームとしてAndroidを活用してもいいし、SIPを使ったAndroidの固定電話があってもいい。携帯電話回線を利用したソリューションを、誰もが作れ、みんなが使えることが重要で、そういう世界が広がってほしいと考えます」


音声から離れると、新しい世界が見えてくる

 MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、携帯電話やPHSなどの回線網は自前で持たず(大手キャリアから借り受け)、通信サービス部分だけを提供する事業者のこと。国内で言えば、日本通信やISPなどがドコモのFOMA回線やウィルコムのPHS網を借りて、キャリアとは料金体系や内容の異なる接続サービスを提供している。

 本田氏が言う小規模なMVNOとはこういった既存のMVNOとは、若干イメージの異なるものだ。MVNO事業者などから数十回線規模のさらに小規模な回線を再販してもらい、その上で目的に特化したアプリケーション(デジタルサイネージや情報プッシュサービス、ECなど)を提供していく。

携帯電話回線の利用方法も細分化し、市場の裾野を広げていく必要があると話す本田氏

本田 「携帯電話の市場を眺めると、(今後登場するものを含めて)Wi-Fi、HSDPA、WiMAX、LTEなどさまざまインフラが存在します。しかし、仮にこういった通信ソリューションがあっても、その上で使いこなせるサービスが整わなければ市場は追いついて来ません」

 携帯電話のAPIを持っているプラットフォームだからといって、それがそのままケータイになる必要はない。同時にユーザーが携帯電話網を使っているという意識を持つ必要もない。重要なのは新しい価値が認識され、そこに市場が創造されることだ。

 UQ WiMAXやWILLCOM XGPなど、2.5GHz帯を利用したサービスはMVNOを重視していくとされており、ISPなどが積極的に参入している。またM2M(Machine to Machine)と呼ばれる機器同士のネットワーク接続なども、MVNOとして注目されている分野だ。しかし、現状ではMVNOに参入する敷居は非常に高い。

本田 「MNO(キャリア)から3G回線を借りる場合の料金は10M回線で1500万とか750万とか言われていますが、それに見合った料金をペイするためには今ある形の通信サービスだけでは難しいと思います。特に『電話ではお金を取れない時代』と言われている中、Androidを携帯電話のプラットフォームとだけ見るのではダメでしょう。

 本田氏は、HSDPAにしてもWiMAXにしても、既存の携帯電話サービスの概念に沿った利用が主で、サービスのバリエーションが増えていないと指摘する。こり固まった仕様で選択肢の幅が狭く、携帯電話のインフラを活用したシステムインテグレーションの分野も未成熟で、ブレークスルーになるような新しいサービスが生まれず、価値が見出しにくい状況だ。

本田 「数はそんなに出ないけれど、細分化したマーケットのニーズに応えられるインフラとして携帯電話回線を使う。そんな活用が今後重要になってくると考えます。こんな使い方、遊び方ができるからいい、そんな価値を前面に出していく必要があります。例えば、最近ではモバイルルーターのビジネスが活発になっています。こういった機器を安いコストで作り、さまざまな機器に入れていきたい。M2MのソリューションでWi-Fiや特定省電力無線局を利用すると、SIが必要になりますが、SIが必要ないソリューションとして携帯電話が活躍する機会があるのではないでしょうか」

前へ 1 2 3 4 次へ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ