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小規模MVNOの世界

Androidで、ケータイをなぞってもしょうがない

2009年09月16日 09時00分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

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地域・目的に沿った細かなサービスを

 Androidは、標準化されたオープンなプラットフォームなので、端末ごと、サービス事業者ごと、通信事業者ごとに開発する必要がなくメーカーも喜ぶ。既存の携帯電話回線に接続する、専用端末の開発も可能だ。小規模なMVNOの将来像として、本田氏は一例を挙げる。

本田 「いまMVNOを始めるには大変な苦労が伴いますが、2~3万人の規模ではなく50回線でMVNOを始められれば、マンション単位で導入したり、ゴルフ場のカートに入れたりと、いろいろな応用が可能になります

 通信機能の扱いが容易で、各種ウェブアプリケーションとの連携も考慮されたAndroidは、その足がかりになると本田氏は話す。

本田 「例えば日本にゴルフ場は2500ヵ所あると言われていますが、トーナメントなどが行なわれる大手はごく一部です。一般的なゴルフ場は経営に苦しんでいます。つまりゴルフをレジャーとして、みんなが楽しめるようにするかを考えないといけません」

IDYは無線LANルーターや、組み込み用のモバイルルーターの開発なども行っている

 これまでゴルフ場でのカート間通信には、特定省電力無線局が使われていた。しかし、アンテナを立ててインフラを整えると1500~2000万円ぐらいの投資が必要になってしまうと本田氏は説明する。しかし、携帯電話回線を使えば、SIは不要だ。現在のゴルフ場では携帯電話がつながるのが当たり前になっている。

 カート1台当たり月額1000円ぐらいの回線で500円のサービス料を載せて1500円。ひとつのゴルフ場で50台のカートを持っているなら7万5000円で済む。これなら小規模なゴルフ場でも捻出できる金額ではないだろうか。

本田 「その上に載せるサービスもいろいろなものが考えられます。例えば有名ゴルフプレーヤーのドライビングレンジを引っ張ってきてコース上に重ね合わせれば盛り上がりますし、このクラブに換えれば飛距離がこれだけ増えるといった広告も打てる。プレミアム会員にはクラブを試しうちしたり、クラブハウスに戻ったらバドガールがビールを一杯サービス……といった形で料金の上乗せも考えられます(笑)」

 サービス提供会社は、同種のサービスをほかのゴルフ場で展開してもいい。こうした回線をMVNO事業者が50回線単位で再販する仕組みが整えば、ゴルフ場だけでなく、小規模な通信──例えば小学校の中だけで使う通信端末や、チェーン店の情報端末などでも応用が可能になるだろうと本田氏は話す。

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